イイDesignで、イイ社会を実現する。
株式会社デパートに聞く、伴走型ものづくりと挑戦を支える組織づくり

株式会社デパート

コーポレートサイトや採用サイト、ブランドサイトなどWebサイト制作を主軸に、システム開発やWebマーケティング支援まで幅広く手がける株式会社デパート。
今回は、代表取締役社長CEOの東 孝之さんと取締役副社長COOのモチマス ミサさんの二名へのインタビューを通して、事業の考え方、お客さまとの向き合い方、社内カルチャー、そして今後の展望までを伺いました。

Web制作を軸に、幅広い領域へ展開するデザイン会社

── まず、株式会社デパートについて教えてください

東さん 株式会社デパートは「イイDesignで、イイ社会を実現する」というビジョンを掲げて、Web制作を中心に事業を展開しています。2015年6月の設立から、おかげさまで10年を超える節目を迎えました。
私は、2022年に株式会社デパートが株式会社YUIDEAのグループに入ったタイミングで関わり始め、2024年から代表を務めています。もともと株式会社YUIDEAでもWeb制作、ディレクション、デザイン、コーディングなどに携わってきたため、現在の事業とも近い領域を長く見てきました。
本社は南青山にあります。もともとは五反田にありましたが、2024年2月に移転しました。グループ会社が同じ場所に集まったことで、株式会社YUIDEAの案件を株式会社デパートと協業で進める機会も増えました。
メンバーは現在40名ほどで、職種としてはディレクター、デザイナー、エンジニアが中心です。ディレクターが約20名、デザイナーとエンジニアがそれぞれ10名ほどという構成になっています。
事業内容としてはWebサイトの制作が中心で、コーポレートサイト、採用サイト、ブランドサイト、LP、メディアサイト、ECサイト、サービスサイト、自治体案件など、かなり幅広く対応しています。最近はアクセシビリティへのニーズも高まっており、その領域にも力を入れていますね。

各領域の専門家が連携する「才能の百貨店」

── Web制作会社として幅広い領域に対応できる総合力を強みとしているのですね

モチマスさん 創業当初から、「デパート」という社名が示す通り、私たちは「才能の百貨店」でありたいと考えてきました。各領域にプロフェッショナルがいて、さまざまなお客さまのニーズに応えていくという発想です。
例えば、ビジュアルデザイン領域、UX領域、マーケティング領域、システム領域などWeb制作に関わる各領域のプロフェッショナルが連携することで、まさに才能の百貨店を体現した総合力を強みとしています。
市場環境の変化によって、作って終わりのLPを量産するような仕事は減ってきています。最近は、ブランドサイトやメディアのように、立ち上げたあとにしっかり育てていくもの、使われ続け進化していくものが増えています。採用サイトやサービスサイト、コーポレートサイトもその一つですね。
特に弊社の場合は、お客さまの採用に関する課題から議論がスタートするケースが多いです。採用課題のご相談から継続的に関わるなかで、企業理解が深まり、コーポレートサイト見直しのご相談につながることもあります。この様に幅広い領域を課題の本質からワンストップでご提案できることは、私たちの強みの一つだと考えています。

東さん そうですね。Web制作は、一度作って終わりではありません。コーポレートサイトなら制作期間が1年程度かかることもありますし、小規模なサイトでも2〜3ヶ月はかかります。そのため、成果物のクオリティやユーザーから評価されることはもちろん、プロジェクト自体の進め方も非常に大切にしています。
実際にクオリティだけに留まらず、「プロジェクトの進め方やプロジェクトに対する姿勢が良かった」とお客さまから評価をいただくことも多く、リリース後も継続的にご相談いただくお客さまが多いです。

お客さまの転機に寄り添い、課題の本質から整理する

── コーポレートサイト制作では、どのようなフェーズから関わることが多いのでしょうか

東さん コーポレートサイトをリニューアルする場合、経営計画や事業計画の見直し、社長交代、不祥事など、良いも悪いも、企業が何らかの転機を迎えるなかで、Webサイトを見直す必要が出てくるケースが多いです。
CIやロゴから刷新するようなブランディングに関わることもありますし、すでにミッション・ビジョン・バリューやステートメントが整理されていて、それをWebサイトとしてどう表現するかを担当することもあります。
最近ではAIを活用した営業手法やコンテンツ作成も珍しくなくなってきています。だからこそ、クリエイティブの力がより問われているとも感じています。ですので、弊社の取り組みの一つとして、ワークショップやヒアリングなどを経て、「本当にそれでよいのか」「課題の本質は別のところにあるのではないか」といった部分から一緒に整理していくこともありますね。

お客さまの暗黙知を言語化・可視化する

── 上流から関わった事例として、印象的なプロジェクトはありますか

東さん 印象的だったプロジェクトは数えきれないほどありますね。たとえばコーポレートサイトを刷新するにあたっては企業のトップ(社長などの経営陣)や社員の皆さんにインタビューをさせていただき、情報整理をすることがあります。
企業のカルチャーというのは、なんとなく社員に根付いているように思えても、実は暗黙知として存在しているだけで、きちんと言語化がされていなかったりするものです。
コーポレートサイトのリニューアルを通じて、そうした皆さんの「暗黙知」を深掘りして、言語化・可視化することに携われるのは私たちにとっても、とても興味深いです。
BRIK JOBの制作実績のページに今まで携わらせていただいたプロジェクトを掲載していますので、ぜひチェックしていただけると嬉しいです。
https://brik.co.jp/job/depart

情報を構造化し、お客さまとともに方向性を組み立てる

── 上流で整理した戦略を、どのようにクリエイティブへ落とし込んでいるのでしょうか

モチマスさん デパートでは、いきなり具体的なデザイン案を提示することはほぼありません。お客さまの目指すビジョンや、現状の課題などを独自のフレームワークに落とし込み、収集した情報を可視化・構造化します。その上で、「本当の課題はここなのか」「どんなご提案なら課題を解決できるのか」など、お客さまと一緒に徹底的に検証していきます。
お客さまの良いところだけを見るのではなく、課題や痛みがある部分も含めて検証していきます。方向性も一つに決め打ちするのではなく、「こう作るとこうなる」「こういう方向もある」と時には複数の可能性を示しながら、お客さまと一緒に組み上げていくことが多いです。
定期的なミーティングを通じて、お客さまの見ていらっしゃる視点を理解し、デパート視点でのご提案とのすり合わせを繰り返し、共にチームとして伴走させていただく。そのプロセスを経るからこそ、納得感が高まり、公開後も愛着を持って育てていただけるものになると考えています。

お客さまのチームの一員として長期的に伴走する

── そうした伴走型の進め方は、長いお付き合いにもつながっているのでしょうか

モチマスさん そうであると、とても嬉しいですね!
もちろん、すべてのお客さまと最初からすべてが完璧に噛み合うわけではありません。たとえリブランディングのお仕事でも、「プロなのだから正解を最初から持ってきてほしい」というお客さまとは、お時間をいただきディスカッションを重ねていくことが難しい場合もあります。
私たちはWeb制作のプロではありますが、お客さまの事業そのもののプロではありません。だからこそ、お客さまの知見と私たちの知見を掛け合わせながら、共につくっていくことが効果を最大限に引き上げるために重要だと思っています。
ただの制作会社というより、お客さまのチームの一員として参加させていただいているお客さまとは、比較的長いお付き合いをさせていただいているのかなと思っています。
初めはサイト制作のご依頼だったのが、いつしか戦略や企画など、お仕事の内容も展開していくこともありますね。私たちもワクワクドキドキしながら、伴走させていただいています。
お客さまとのプロジェクト後のクロストークもぜひご覧いただけたら嬉しいです。

YUIDEAとの連携で広がるサステナビリティ支援

── 株式会社YUIDEAのグループに入ったことで、プロジェクトの幅はどのように広がっていますか

東さん いろいろありますが、一例として株式会社YUIDEAには、サステナビリティ・ESG情報開示、統合報告書、サステナビリティレポートなどを担当する部署があります。コーポレートサイトはそうした情報発信と結びつくことが多いため、連携して取り組む案件が増えていますね。
サステナビリティサイトをつくるWeb制作会社や、ESG情報開示をコンサルティングする会社はありますが、その両方を一緒にできる会社は多くありません。そこは株式会社YUIDEAとの連携があってこその強みだと感じています。

多様な案件への挑戦が、個人と組織の専門性を育てる

── 幅広い案件とメンバーそれぞれの専門性はどのように両立しているのでしょうか

モチマスさん 何か一つの領域に絞ろうとしているわけではありませんが、結果として「この人はコーポレート領域の設計が得意」「この人はブランドやPRでの表現が得意」「この人はシステム寄りの案件が得意」といったように、それぞれの専門性は自然に出てきます。
その一方で、メンバーからすると、ずっと同じ種類の案件だけを担当していると思考が止まってしまったり飽きてしまうことも出てくる。だからこそ、新しいチャレンジが常にできる環境であることを大切にしています。結果として組織全体の技術水準やモチベーションを高く維持する秘訣となっています。

自然体で話せる、フラットなコミュニケーション文化

── 社内のカルチャーには、どのような特徴がありますか

東さん 自然体で話せること、フラットにコミュニケーションできることを大切にしています。採用でも、自然体で話せる方かどうかは重視していますね。
現在は南は鹿児島から北は岩手まで、各地にリモートで働くメンバーもいますが、全社会や半年に一度の総会など、全国から集まる機会を作っています。
また、オンラインでも気軽に「少し良いですか」と話せる環境を意識しています。ディレクター、デザイナー、エンジニアそれぞれの職種での勉強会やミーティングもあり、自分から発言する機会も月に何度かあります。

モチマスさん 社内には話しかけやすい人が多いですね。オフィス内でも、オンラインでも、みんな会話することを大切にしています。
仕事に集中していると会話が減りがちですが、株式会社デパートでは雑談の時間も大切にしています。

働き方と交流を促すフリーアドレスのオフィス

── オフィス環境には、どのような工夫がありますか

東さん オフィスは原則フリーアドレスで、席の種類もいくつかあります。オンラインミーティング用の個室ブース、4人掛けのソファ席、集中しやすい席、アクティブに会話しやすいエリアなど、働き方に応じて選べるようにしています。
出社すると、対面でミーティングをしたり、席を移動して話したりしやすいです。株式会社YUIDEAのメンバーも同じオフィスにいるので、会社間をまたいだコミュニケーションも増えています。

一人ひとりの強みを生かす1on1とキャリア支援

── 社員の成長やキャリア支援については、どのような取り組みがありますか

モチマスさん 各管理職が毎月1on1ミーティングを徹底しています。チームによっては毎週や隔週で行うこともあります。期初に立てた目標に対する進捗を追うだけでなく、人事制度を活用し、次にどんなスキルやマインドを身につければステップアップできるかのロードマップを可視化しています。
ディレクターという同じ職種でも、企画提案が得意な人、複雑な大規模運用をミスなく統率できる人、デザインやフロントエンドなどの実装工程が得意な人など、タイプはさまざまです。それぞれの得意領域を認めながら、目標設定や評価に落とし込むようにしています。

安心して挑戦を重ねられることが働きがいになる

── 株式会社デパートならではの働きがいは、どのようなところにありますか

モチマスさん 最近、採用noteのインタビューを始めたのですが、メンバーからよく出てくるのが「チャレンジをさせてもらえる環境がある」という言葉です。
https://note.com/depart_note/n/n12e6e48c0035
何かを一方的に押し付けられるのではなく、自分の意思で挑戦できる環境がある。挑戦するたびにできることや武器が増え、また次の挑戦につながっていく。そこに働きがいを感じてくれているのだと思います。
もちろん、挑戦には不安もあります。ただ、先輩や仲間たちが支えてくれて、何かあっても大きなトラブルにならないようにバックアップしてくれるという安心感があるからこそ、萎縮することなく挑戦していけるのかなと。

個々の経験に合わせ、時間をかけて成長を支える

── 中途入社の方は、入社後どのように馴染んでいくのでしょうか

モチマスさん 中途入社については、画一的な研修制度があるというより、その方のこれまでのキャリア、得意領域、パーソナリティに合わせて進めています。入社後3カ月はOJT期間として、所属先の上長と一緒に業務を進めます。すぐに結果を求めるのではなく、まずはデパートの仕事の進め方やカルチャーに馴染むことを最優先し、3カ月後の状態を見ながら次の目標を設定していきます。
直近の中途入社の方々は、これまでの経験で培われた自分の得意分野を生かしながら、新しいことにも挑戦してもらう形が、機能していると感じます。自分が貢献できている感覚を持ちながら、新しい挑戦もできることが、大切だと考えています。
すぐに即戦力として大きな成果を出す人ばかりではありません。1年ほどかけて馴染み、2年目以降に力を発揮していくケースも多いです。

Web制作を越え、デザインで社会に価値を届ける

── 今後、株式会社デパートが目指していく方向性について教えてください

東さん 「イイDesignで、イイ社会を実現する」というビジョン自体は、これからも変わらないと思っています。
そのうえで、Howの部分、つまり「いかに早く正確につくるか」だけで勝負する領域は、今後ますますAIの影響を受けていくはずです。だからこそ、つくるだけではない価値をどうつくるかが重要になっていくと考えています。
Web制作はもちろん私たちの本拠地ですが、そこだけにこだわり続けるつもりはありません。良いデザインやクリエイティブを活かせる場は、Webに限らないと思っています。もっと広い意味での設計や仕組みづくりも含めて、社会に価値を届けられる組織になっていきたいです。

制作会社という枠にとどまらない姿勢を持つ

株式会社デパートの話から見えてきたのは、制作会社という枠にとどまらない姿勢でした。課題を整理し、問いを立て、お客さまと伴走しながら価値を育てていく。その土台には、自然体で話せるカルチャーと、挑戦を支える仕組みがあるのでしょう。
デザインを見た目だけのものではなく、関係性や仕組み、社会との接点そのものとして捉える。その視点こそが、株式会社デパートらしさの核心なのかもしれません。