WebプロデューサーはWeb制作全体を管理する責任者であり、さまざまなスキルを必要とします。未経験の方はもちろん、Webプロデューサーになりたての方も、「どんなスキルを身に着けたらよいのか」と不安に思うことも多いのではないでしょうか。
そこで今回はWebプロデューサーの仕事内容を踏まえ、必要なスキルやおすすめのスキルアップ方法を紹介します。
Webプロデューサーの仕事内容
Webプロデューサーの仕事内容は、所属する会社によって異なります。Web制作の計画立案が主な仕事であるものの、一部を担う場合もあれば、人員不足により実動部分を担う場合も少なくありません。
ここでは、Webプロデューサーの基本的な仕事内容を3つ紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
フロントでの顧客折衝や案件ヒアリング
Webプロデューサーの仕事には契約前の打ち合わせはもちろん、予算や納期など契約後の交渉も含まれます。その際は新規・既存案件問わず、クライアントから要望を聞き出すヒアリング力が大切です。
時には、複雑な要件の案件や、まれに現実的ではない要望を提示するクライアントもいるでしょう。そんなときこそ、ヒアリングによって実現可能な具体性のある内容を聞き出し、共通のゴールを導き出すがWebプロデューサーの腕の見せどころともいえます。
プロジェクトの予算管理やPL管理
予算管理やPL管理も、Webプロデューサーの仕事の1つです。PL(損益計算書)とは、一定期間の収益と損失から、経営状況を見るものを指します。適宜確認・調整することで健全な経営状況の維持が可能となり、プロジェクト全体をとどこおりなく進められます。
予算管理やPL管理をとおして、予算内で最大限の収益を生み出せるようプロジェクト全体をコントロールするのも、Webプロデューサーの大切な仕事です。
プロジェクト全体の進行管理やチームマネジメント
Webプロデューサーは立案した計画をもとに、チームメンバーへの業務指示や、進捗状況の確認・調整を行います。実務遂行時の責任者であるWebディレクターに、プロジェクトの方向性を示すのもWebプロデューサーです。適材適所の人員配置でWeb制作の進行を管理し、チームをマネジメントすることもWebプロデューサーの大切な仕事の1つといえるでしょう。
Webプロデューサーに求められるスキル
Webプロデューサーに必要なスキルは、次の7つです。自分に足りないスキルはないか、チェックしながら読み進めてみてください。
Webに関するスキルや広域の知識
Webプロデューサーが仕事を進める上で、エンジニアやWebデザイナーなどWeb制作にかかわる職種とのコミュニケーションは欠かせません。チームメンバーとスムーズにコミュニケーションするためには、自分が得意とする領域以外の幅広い知識やスキルも必要です。
メンバーが「できること」「できないこと」、そして「何にどれくらい時間がかかるか」を把握することで、より現実的なスケジューリングが可能となります。プロジェクト全体をとどこおりなく進めるためにも、WebプロデューサーはWebに関するスキルや広域の知識を身に着けるようにしましょう。
企画立案や提案構築などプレゼンテーションスキル
クライアントに企画や提案を受け入れてもらうためには、表現力や説得力のあるプレゼンテーションスキルが必要です。
また、Webプロデューサーは予算や進行管理を担います。時として、納期や予算などについてクライアントと交渉する場面も出てくるでしょう。交渉を成功させ、より良い成果物に仕上げるためにも、クライアントに納得してもらえるようなプレゼンテーションスキルを身に着けておきたいところです。
予算や利益などPLに関する数値管理スキル
Webプロデューサーは予算内で最大限の収益を生み出すために、「どのようにコストを配分したら良いか」を考える必要があります。プロジェクトを進める中でも、進捗状況やトラブル発生などに合わせて、適宜PLに関する数値を確認し、管理するスキルも必要です。
WebプロデューサーとWebディレクターは似ている職種ですが、このような経営者的思考はWebプロデューサー特有のものといえるでしょう。
専門領域以外のプロジェクトマネジメントスキル
納期内に成果物を仕上げるためには、現実的かつ余裕のあるスケジューリングが大切です。そのためには、実働メンバーの領域に関しても最低限の知識を持ち、必要な制作工程や時間、ツールなどを把握する必要があります。
PDCAサイクルを回しながらプロジェクト全体をマネジメントするのも、Webプロデューサーに大切なスキルの1つです。
長期的な視点で計画を立てるプランニングスキル
Web制作では、案件の規模が大きくなれば、成果物を仕上げるまでの期間も長くなります。しかし、「納期まで時間があるから」と進捗確認を後回しにすると、「実は思っていたよりも作業が進んでいなかった」などのトラブルが発生しかねません。このような事態を避けるためにも、Webプロデューサーは短期目標を細かく設定し、納期内に最終目標をクリアできるような長期的な視点でのプランニング力が必要です。
ユーザ分析や市場調査などのマーケティングスキル
さまざまなクライアントから案件を受注するWeb制作会社では、その都度クライアントが扱う市場のユーザやトレンドについて調査する必要があります。また、市場調査などで明らかになったデータを分析し、企画に反映する力も大切です。Webサイトを通してビジネスを成功させるためには、Webプロデューサーもマーケティングスキルを身に着けておくとよいでしょう。
クライアントやチームメンバーに対するヒアリングスキル
前述したように、クライアントからのヒアリングは契約時や契約後の交渉で大切になってきます。同時に、チームメンバーからのヒアリングも欠かせません。プロジェクトの進捗状況は、チームメンバーのモチベーションと比例するからです。不満や問題点が放置されたままだと、いずれトラブルに発展し、業務全体がストップすることも出てくるでしょう。
Webプロデューサーとしてプロジェクトを成功させるなら、対外・対内どちらにも耳を傾ける必要があります。
Webプロデューサーとしてスキルアップする方法
Webプロデューサーには、さまざまなスキルが必要であることがわかりました。では、これからWebプロデューサーになりたい方、あるいはWebプロデューサーになりたてで経験を積んでいきたい方は、どのような点を意識してスキルアップを図ればよいのでしょうか。
最後に、Webプロデューサーとしてスキルアップする方法を3つ紹介します。
自分の専門領域以外の知識も得る
チームメンバーとのコミュニケーションをスムーズにするためには、自分の専門領域以外の知識も必要だと紹介しました。Webに関するプログラミング言語(HTML、CSS、javascriptなど)やWebデザイン技術などを知っているか否かでは、コミュニケーションコストが大きく異なります。
Webクリエイター能力認定試験などでは、資格の勉強をしながら他職種の知識も学べるため、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
Webサイトに限らずアプリなど様々な実績を積む
アプリ開発もWebサイト同様、企画をもとに設計、開発していく仕事です。必要なスキルは似ているものの、Web制作とはまた違ったトレンドや技術に触れる機会にもなります。
アプリ開発などWeb制作以外の仕事に挑戦することで、Webプロデューサーとして対応できる領域の幅が広がるでしょう。
プロジェクトの規模を拡大していく
5人前後を管理する小規模案件と、50人以上を管理する大規模案件とでは、必要とするスキルや労力が異なります。小規模案件ばかりだと、知識やスキルは頭打ちとなってしまいます。Webプロデューサーとしてスキルアップしていきたいなら、小規模だけでなく、徐々に案件の規模を拡大していくのもおすすめです。
Webプロデューサーのスキルアップには経験が欠かせない
Webプロデューサーの仕事は多岐にわたり、必要とされるスキルもさまざまあります。本から学べる知識やスキルも多いですが、経験に勝るものはありません。
Webプロデューサーとしてスキルアップしていきたいなら、少しずつでも現場経験を積んでいきましょう。