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近年、BtoC・BtoB領域ともにWebコンテンツを活用したマーケティングの展開が急増しています。しかし、Webのノウハウが少ない企業では、効果的な施策を打ち出せずに諦めてしまうケースも少なくありません。
今回紹介するWebコンサルタントは、そのような事態を回避できるようWeb上の施策を提案・売上向上を支援する職種です。Webコンサルタントとはどのような仕事か、必要なスキルやWebコンサルタントになる方法について紹介します。
Webコンサルタントを目指している方や、転職を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
Webコンサルタントとは?
まずはWebコンサルタントの基礎知識として、仕事内容や平均年収を見ていきましょう。
Webコンサルタントの仕事内容
Webコンサルタントは、クライアントのオウンドメディア (自社Webサイト) や、Webコンテンツにとって最も効果的な施策を提案し、課題解決や目標達成を支援する職種です。効果的な施策を打ち出すためには、次のような情報を把握・分析する必要があります。
- ターゲットの情報
- 既存コンテンツの状況
- 実施済みの施策
- 競合他社の情報
- 予算や利益率 など
また、一口にWebコンサルティングと言っても、クライアントの業種や事業規模などによって、その内容は大きく異なります。そのため、一辺倒の提案ではなく、クライアントに合わせた最適解を見つけることが大切です。
Webコンサルタントの平均年収
引用したデータによると、Webコンサルタントの平均年収は、2023年2月時点で493万円です。もっとも安いところで332万円、もっとも高いところで1,011万円です。
求人数は時期によって若干の増減はあるものの、全体的に見ると右肩上りになっています。このことからも、多くの企業がWeb施策に取り組み、その分Webコンサルタントの需要が高まっていることがよくわかるでしょう。
Webコンサルタントに必要なスキル
Webコンサルタントに必要なスキルは、主に次の3つです。
- コミュニケーションスキル
- ロジカルシンキングのスキル
- リサーチのスキル
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
Webコンサルタントでもっとも重要といえるのが、コミュニケーションスキルです。コミュニケーションスキルは、大きく分けると「伝える」「受け取る」の2つがあります。
「伝える」で必要なのは、話す内容を単に言語化することだけではありません。相手が理解しやすく、かつ不快に思わないような伝え方をする必要があります。
また、「受け取る」ではクライアントの話を途中でさえぎらず、傾聴する力や本音を聞き出すスキル(ヒアリングスキル)も大切です。時には、相手の表情や声のトーンといった非言語情報から、気持ちをくみ取る力も必要になります。
Webコンサルタントの提案では、クライアントから疑問や反対意見が出るシーンが少なくありません。また、納期や予算などで交渉するシーンも多いでしょう。
そのようなとき、コミュニケーションスキルがあれば相手の意見を聞きつつ、自分の提案をスムーズに伝えることも可能になります。Webコンサルタントとして活動する上で、コミュニケーションスキルはもっとも伸ばしたいスキルといえるでしょう。
ロジカルシンキングのスキル
相手を納得させられるようなコミュニケーションスキルの根底には、ロジカルシンキングのスキルがあります。ロジカルシンキングを実現するためには、物事を分解してロジカルツリーを組み立てる必要があります。ひとつの事柄をいくつかの要素に分解し、そのひとつの要素をまたいくつかの要素に分解します。その際にはMECE (ミーシー) と呼ばれる、「モレなくダブりなく」という全体が重複なく網羅されている状態を目指します。
Webコンサルタントは現状を踏まえた改善策の提案について、クライアントへ簡潔かつ論理的に伝えることが必要です。相手が理解できない、納得できないような内容では、たとえよい施策であっても実行されず、Webコンサルタントの必要性が感じられなくなります。
とはいえ、ロジカルシンキングスキルは一朝一夕では身につきません。現職の中で、論理的な思考をする癖をつける必要があります。もっとも簡単なのは、PREP法を使った思考方法です。
- Point(結論):「○○は□□です」
- Reazon(理由):「○○は××だからです」
- Exanple(具体例):「たとえば、○○は□□です」
- Point(再度、結論):「そのため、○○は□□というわけです」
PREP法を活用すれば思考が整理され、簡潔な言葉で表現できるようになります。結論から述べる分、聞く側も「それは、なぜ?」と続きを聞きたくなる点もメリットです。
Webコンサルタントを目指す方は、現職の業務を進める中で少しずつロジカルシンキングスキルを身につけましょう。
リサーチのスキル
Webコンサルタントとして欠かせないスキルの1つが、リサーチのスキルになります。Web業界のトレンド変化は非常に速く、常に情報をアップデートする必要があるためです。
同業種での競合や業界標準となっている情報をいち早く掴み、ボトムアップを図るとともに、他業種で成功している事例などを深く洞察し、成功が実現したしたエッセンスを担当している業界にうまく持ち込むことで、他社との差別化を図ります。
リサーチスキルが不十分な場合、クライアントの課題を適切に把握できず、トレンドに合わせた効果的な施策も打ち出せません。同じ業界・事業規模のWebコンサルティングであっても、年数が経てば最適な施策の方向性が大きく異なるケースもあり得ます。
Webコンサルタントとして活動し続けるためにも、日々の情報収集やリサーチを欠かさず、施策の引き出しを多く持つことが大切です。
Webコンサルタントになる方法
Webコンサルタントになる方法は、主に次の3つが挙げられます。
- 制作会社や広告代理店に就職する
- コンサルティング会社に入社する
- フリーランスとして独立する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
制作会社や広告代理店に就職する
もっとも一般的なのは、制作会社や広告代理店へ実務職として就職し、後にWebコンサルタントへキャリアアップする方法です。この方法では、WebデザイナーやWebエンジニアなどを経ることもあるため、実務面の具体的な提案もしやすいメリットがあります。
また、Webディレクター・Webプロデューサーなども経験できれば、企画立案やマーケティング分野のノウハウも蓄積するでしょう。実務経験に即した現実的な提案が可能となり、クライアントからの信頼を得やすい点もメリットです。
ただし、会社に属して働くため収入は安定する反面、大幅な昇給は見込めないデメリットがあります。高収入を目指したい方は制作会社や広告代理店で経験を積んだあと、フリーランスとして独立するのも1つの方法です。
コンサルティング会社に入社する
Webコンサルタントの中にはコンサルティング会社に入社し、Webやデジタル領域の専門の担当者になるケースもあります。
通常、コンサルティング会社は経営やITなど、対象とする業務を定めています。しかし、近年ではクライアントの需要の高まりを受けて、大手コンサルティングファームをはじめとする会社が、DX (デジタルフォーメーション)、インターネット広告、Webコンテンツ制作も対象とするケースが増えてきているのです。
ただし、コンサルティング会社の社内リソースにWebコンテンツ制作がないことも多々あります。全体の方向性を定め、具体的な施策は外部パートナー企業に外注する様なケースです。そのような場合はコンサルティングの基本的なノウハウを学び、その後Webの分野の専門として独立するケースも少なくありません。
いずれにしても、コンサルティングスキル全般を身につけられる上、先輩や上司からさまざまな知識・スキルを学べる点が大きなメリットです。将来的に独立したあと、確かなスキルを持って稼ぎたいという方は、コンサルティング会社で経験を積むのもよいでしょう。
フリーランスとして独立する
コンサルタントとしての経験があれば、フリーランスとして独立することも可能です。稼働日数や単価設定が自由にできるため、場合によっては年収1,000万円以上も夢ではありません。
ただし、案件獲得に向けた営業活動や、経理などの事務作業は、基本的にすべて自分で行う必要があります。とはいえ、収入が安定すればオンライン秘書などを雇って、コア業務に集中、さらなる売上アップも可能です。
Webコンサルタントに必要なスキルに自信がある方、ワークライフバランスを重視したい方は、フリーランスを目指してみてはいかがでしょうか。
Webコンサルタントには多様なスキルが必須!
Webコンサルタントにはコミュニケーションスキルのほか、ロジカルシンキングスキルやリサーチスキルなど多様なスキルが必要です。Webコンサルタントとしてクライアントのビジネスに貢献するためには、日々のスキルアップが欠かせません。
Webコンサルタントを目指したい方や、独立して稼ぎたい方はスキルの取得・研鑽に励みましょう。