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採用サイトを制作するポイントは?事例、デザイン、コンテンツ、コンセプトの面から詳細を解説!

目次

採用サイトを制作するポイントは?事例、デザイン、コンテンツ、コンセプトの面から詳細を解説!

採用サイト制作に求められることとは?

優秀な人材を確保することは企業にとって最重要課題の一つです。特に近年は人口減少に伴う人手不足が深刻化しており、求職者に選ばれる魅力的な会社でなければなりません。採用サイトはその重要な窓口となり、優れたサイト作りが求められています。本記事では、コンセプト、デザイン、コンテンツの3つの観点から、効果的な新卒・中途の採用サイトを制作するためのポイントを詳しく解説します。

人材不足のため候補者優位が続く

日本の総人口は減少し続けており、生産年齢人口(15~64歳)も1995年をピークに減少に転じています。一方で、経済のグローバル化に伴い優秀な人材を確保する必要性は高まる一方です。このような状況の中、採用市場では供給が需要に追いつかず、募集に対する応募者数が減少しています。つまり優秀な人材を獲得するためには、候補者側に選ばれる企業でなくてはならないのです。

そのためには自社の魅力を最大限にアピールし、理想の人材を惹きつける採用サイトの制作が欠かせません。費用対効果を考えれば、ターゲットに応じた戦略的なサイト作りが不可欠となるでしょう。

採用サイトの種類

採用サイトですが、採用する雇用形態によって以下に分類ができます。またそれぞれの目的によって、デザイン面、コンテンツ面などの採用サイトのあり方も変化してきますので、それぞれに求められる役割などを意識していきましょう。

新卒採用

新卒採用サイトは、これから社会人となる大学生や専門学校生を主なターゲットとしています。彼らは会社での実際の働き方をイメージすることが難しく、企業の雰囲気や職場環境に強い関心があります。そのため、それらをわかりやすく伝えることが重要になります。

一方で新卒者は仕事に対する考え方や価値観がまだ確立されていないことが多く、求める人物像を明確に設定し、効果的にアピールする必要があります。例えば「チャレンジ精神旺盛で行動力のある人」「高い論理力とコミュニケーション力を兼ね備えた人」など、求める人物像のペルソナを作り上げ、メッセージをストレートに伝えることが有効です。

採用サイトのあり方としては、採用企業の仕事の魅力をよりキャッチーに伝える必要があります。また社会人としてこれまでより広い舞台で活躍することの期待感もうまく表現することが求められるでしょう。

中途採用

中途採用サイトの対象は、ある程度の経験を積んだ社会人です。彼らには転職する明確な理由と、求める条件があるため、ターゲットをしっかりと設定する必要があります。例えば、同業他社から「キャリアアップを求めて転職したい人」、異業種から「新しい分野にチャレンジしたい人」など、ターゲットを明確にした上でアプローチすることが大切です。

求める条件も個人差が大きいため、きめ細かいニーズに応えられるコンテンツが求められます。待遇面の情報はもちろん、働き方やキャリアビジョンなど具体的な情報を提示することで、魅力を確実に伝えられるでしょう。

採用サイトのあり方としては、より仕事内容を深掘りして実際に近い内容で伝えていくことが求められます。同業種からの転職者を意識した場合には、一定程度の業界の専門用語や専門知識を織り交ぜながら、採用企業が求めているスキルレベルをコンテンツを通じて伝えていくと良いでしょう。

インターンシップ採用

近年、正式な社員採用に先立ち、企業との相性を確かめる目的でインターンシップを経て入社する例が増えています。学生がインターンを通して実際の職場の雰囲気を体感できるメリットがあるためです。
企業側も、将来の正社員候補を事前に見極められる点でメリットがあります。実習期間中の学生の様子から、適性や人となりを評価し、マッチング度の高い人材の確保に役立てられます。

インターンシップ採用サイトでは、募集要項と説明会案内の他、過去の実習生の体験談なども掲載し、参加を後押しするコンテンツが重要になります。なお、新卒採用と中途採用のサイトを一つにまとめている例も多く見られます。

コンセプト面でのポイント

コンセプトの説明

新卒採用サイトはコンセプトが重要

新卒採用サイトにおいて、コンセプトの設計は極めて重要な要素となります。なぜなら、大学生は企業での実際の働き方をイメージすることが難しく、会社への理解が浅いためです。求める人物像をしっかりと定義し、分かりやすく魅力的に伝える必要があるのです。

ここで重要なのが、あくまで”理想”のペルソナ像を作り上げ、明確なメッセージを発信することです。単に今どんな人が欲しいかを列記するのではなく、会社が目指す方向性に合致した人物像を戦略的に設定するのがポイントです。

たとえば、”新しい価値を生み出すイノベーティブな人材を期待している”のであれば、「リスクを恐れず、新しいことにチャレンジし続ける人」といったペルソナ像が考えられます。逆に「着実に計画を遂行し、高い生産性を上げられる人」といった、安全志向の堅実タイプも一つの選択肢です。

新卒の場合は特に具体的なペルソナ像を作り込む

このように新卒採用では、ペルソナの設定が極めて重要になります。理想の人物像を、以下の4つの観点から具体化、作り込んでいきましょう。

挑戦的か堅実的か

先に触れたように、会社の求める人物像に合わせ、どちらのタイプの人材を重視するかを決める必要があります。リスクを恐れずに次々と新しいことに挑戦し続ける「挑戦的」な人材なのか、無理のないペースで着々と成果を上げていける「堅実的」な人材なのか、会社の方向性によって異なってきます。
短い期間で大きな成長を狙うスタートアップ企業であれば、挑戦心旺盛な人材が求められるでしょう。一方で優良企業の中のバックオフィス職など安定したポジションの採用においては、粘り強く地道に業務を遂行できる堅実タイプの方が適している可能性が高くなります。

行動力

単に意欲があるだけでは不十分で、自ら課題を見つけ、主体的に行動できる「行動力」が求められます。これは将来の活躍を大きく左右する資質です。行動力の高さは、大学時代のサークル活動やアルバイト経験、ボランティア活動などからある程度見極めることができます。
例えば、サークルの企画運営で中心的な役割を果たしていたか、アルバイト先で自主的に業務改善に取り組んでいたかなど、具体的なエピソードから高い行動力が伺えるでしょう。ただし、そうした活動実績がなくとも、グループディスカッションの様子などから行動力を評価できる場合もあります。

思考力/地頭

企業が求める人材に共通して求められるのが、「論理的思考力」と「基礎的な知力」です。単に暗記力があるだけでは不十分で、与えられた課題に対して建設的な解決策を導き出せる力が重要視されます。
思考力の高さは、大学での成績や資格の取得状況から一定程度は判断できますが、グループディスカッションなどでの発言内容から、より深く見極めることもできます。例えば「他者の意見を丁寧に聞き、自身の意見を簡潔に的確に述べられるか」「課題に対して分析的にアプローチし、論理的に説明できるか」といった点に着目します。

リーダーシップ

プロジェクトを牽引し、メンバーを方向づける力があるかどうかも、企業が重視するポイントです。必ずしも公的な役職経験がなくとも、グループワークの場でリーダーシップを発揮できれば高く評価されます。
リーダーシップの有無は、サークル活動の実績や、ディスカッションでの振る舞いから評価できます。例えば、メンバーの意見をうまくまとめ、方向性を示せるか、メンバーの気持ちに寄り添いながらも的確に進言できるか、などが判断材料となります。

ゲーゲットに訴えかけるキャッチコピーを据える

このように理想のペルソナ像を明確にした上で、そのようなゲーゲット層を呼び込むキャッチコピーを設定します。キャッチコピーが魅力的でなければ、優秀な人材の興味を惹くことはできません。
例えば「あなたの挑戦を応援します。」というキャッチコピーなら、チャレンジ精神旺盛な学生の心に響くでしょう。「論理的思考力を磨きませんか」なら、知的な層をターゲットにできます。「リーダーシップを発揮できる舞台がここにあります」というメッセージも、リーダー志向の学生を惹きつけるはずです。
このように、設定したペルソナに呼びかける言葉を的確に選ぶことが重要です。文字だけでなく、ビジュアルでもゲーゲットに訴求できるよう、コピーとイメージの相乗効果を意識すると良いでしょう。

競合他社との差別化

同業他社との違いをはっきりと打ち出すことも欠かせません。求める人物像や企業文化の違いを明確に示し、なぜあなた(ゲーゲット層)が自分たちに来るべきなのかを訴求することで、より自社に合った人材の獲得が期待できます。
例えば「フットワーク軽く、スピード重視のスタートアップ企業」であれば、大手企業とはまったく異なる方向性があることが説得力につながるでしょう。逆に「100年を超える伝統と実績のある安定企業」というアピールもあり得ます。
あるいは「最先端のデジタル技術に特化した会社」「多様性を重視し、個性を活かせる職場環境」などのセールスポイントを打ち出すのも一案です。いずれにしろ、なぜその会社で働くべきなのかを、明確に差別化して伝えることが不可欠です。

採用ブランディングの一貫性

採用サイトだけでなく、すべての採用活動を通じて、一貫したメッセージを発信することが重要です。例えば、サイトでは「自由闊達な社風」をうたっているのに、実際の説明会の雰囲気が硬すぎると、矛盾を感じて信頼を損ねかねません。
そこで、ブランディングの一貫性を保つことが大切になります。ミッション・ビジョン・バリューをしっかり設定し、それに基づいたコンセプトとメッセージを採用活動全般で貫くのです。そうすることで、企業の魅力をより効果的に伝えられるはずです。
具体的には、Webサイトに留まらず、リクルーティング広告、説明会、面接など、接点の全てでコンセプトを徹底します。さらにはSNSの発信内容にも一貫性を持たせ、オムニチャネル的なブランディングを心がけましょう。

デザイン面でのポイント

トップページやグローバルナビにあるべき要素

採用サイトを制作する上で、UIやデザイン面で考慮しておくべきポイントがあります。

キャッチコピー

先に設定したキャッチコピーを、トップページの目を引く場所に大きく配置します。ページの最初に訪れた人の視線を意識的に奪う必要があります。
また、フォントの大きさや色使いにも気を配り、他のコンテンツよりも際立たせるよう工夫しましょう。コピーに動きを付けたりすることで、より注目度を高められます。会社のコンセプトが一目でわかるインパクトの強いコピーデザインを心がけてください。

社員の写真やビジュアル

実際に働いている社員の様子が分かるビジュアルを多用し、オフィスの雰囲気を伝えます。単に建物の外観を載せるのではなく、社内の設備や執務スペースなども積極的に紹介することをおすすめします。
特に、社員が活き活きと働く姿をとらえた写真や動画を効果的に使えば、より印象的に会社の雰囲気が伝わるはずです。一方で、ポーズを取らせた無機質な社員写真は避けた方が良いでしょう。自然な表情やアクションから、生き生きとした職場の様子がうかがえます。
写真だけでなく、イラストなども取り入れると、よりユニークでインパクトのあるビジュアルになります。イラストレーターに依頼するか、フリーのイラストを活用するなどして、個性的な世界観を作り上げましょう。

エントリーボタン

応募の入り口となる重要なボタンですから、見つけやすく、クリックしやすい場所に明示的に配置します。ページの上部やサイドカラムなど、見落とされがちな位置は避け、ユーザーの自然な視線の流れに沿った場所を選びましょう。
色や形状も目立つよう工夫し、「ENTRY」「応募する」などの明確な表記とすることが大切です。ボタン自体にもホバーアクションなどの動きを持たせると、より操作感も高まるでしょう。エントリーボタンはサイトの最重要ポイントですから、ユーザー視点に立ったデザインが欠かせません。

直感的なユーザーエクスペリエンス

コンテンツを見やすく、操作性の高いUIでなければ、ユーザーは直ぐに離脱してしまうでしょう。直感的で使いやすいUIデザインを追求し、ストレスなくスムーズに情報を得られるようにすることが重要です。
具体的には、どのページに何の情報を配置するかをしっかりと意識しましょう。ナビゲーションに配置できる数は限られていますので、下層のページに何があるかを認識できる様なページ整理やナビゲーションの文言選定をしておきましょう。この様に伝えるべき情報が簡単に探せるように構造化します。場合によってはある程度進行してきたタイミングで、多くのユーザーが迷うポイントを事前に洗い出して使いやすさを検証するユーザーテストも有効です。またスマートフォン対応を前提とした、レスポンシブデザインは必須でしょう。

デザイントーンを確立して社風を伝える

サイト全体のデザイントーンの確立も重要なポイントです。デザイントーンは、フォント・タイポグラフィ、カラーパレット、アイコンやイラストの雰囲気などによって決まります。それがまとまりよく統一されていれば、一貫した世界観を醸し出せるでしょう。

フォント・タイポグラフィ

フォントの選び方一つで、デザインの印象は大きく異なります。例えばサンセリフ体やゴシック体では、ニュートラルで洗練されたトーンが表現しやすいでしょう。セリフ体や明朝体を用いれば、誠実で真摯なデザイントーンが表現できます。求める人物像や目指すべきデザイントーンに合わせて様々な方法を検討してみましょう。

カラーパレット

配色によっても、社風の雰囲気は大きく変わります。基本的には企業カラーを取り入れつつ、メインとなる色をどのようなトーンにするかで印象は変わってきます。
落ち着いた大人な色使いか、遊び心のあるカラースキームにするかで、デザインの与える印象が決まってきます。ブルー系統を基調にすれば、知的で冷静なイメージになり、レッド系の暖色を使えば、熱いパッションを訴えたりすることができます。
複数のカラーを組み合わせたカラースキームを作成する際には、一般的には基本となるベースカラーを意識した上で、補色系または同色系のアクセントカラーを上手にチョイスしましょう。ターゲット層に適切なメッセージを伝えられる様な適度なトーンを狙いましょう。

採用サイト専用のロゴ

企業の通常ロゴとは別に、採用サイト専用のロゴやサイトタイトルを制作するのも良い選択肢です。デザイン性の高いロゴが作成できれば、より明確な採用ブランディングが可能になるでしょう。採用の目的やコンセプトを意識しながら、それを体現するロゴデザインを検討してみましょう。
ロゴは文字組みだけでなくシンボルマークを付けたりすることで、インパクトを高めて記憶に残りやすくなります。企業ロゴは意識しながらも、あくまで採用サイトに向けた斬新な解釈によりオリジナルなデザインを目指しましょう。

個性を与えるデザインのアイデア

パララックスなどのスクロールエフェクト

新鮮な印象を与えるWebデザインの技術を活用し、動きのある演出を取り入れるのも良いでしょう。パララックスやスクロールアニメーションなどを取り入れれば、演出が印象的なデザインの採用サイトに仕上がります。
パララックスとは、スクロール速度が異なる複数のレイヤーを使って奥行き感や動きを表現する手法です。また場合によっては縦のスクロールに対して横の動き、マスクを使った動きなどその可能性は様々です。UIに触れた人はその新鮮さに惹かれるはずです。ただし情報設計を綿密に行い、動きすぎて不自然にならないよう留意しましょう。

抽象的で印象的なビジュアル表現

分かりやすさを追求したシンプルなデザインも重要ですが、抽象的で印象に残るグラフィックスを用いるのも有効なアプローチです。ストレートに企業メッセージを伝えるよりも、ユーザーに想像の余地を残し、自由な解釈を促す方が印象に残りやすいこともあるでしょう。
例えば、企業の今後のビジョンを、幾何学模様などを使って表現したグラフィックスを用いるなどが考えられます。ただし過度に抽象的になりすぎると意味が分からなくなるため、程良い抽象度のビジュアルであるかを心がける必要があります。

単なる装飾でなく、メッセージ性のあるグラフィックスを入れることで、インパクトと印象付けが期待できます。そのためには、コンセプトをしっかり設計し、一貫したアプローチを心がける必要があります。あくまで分かりやすさを損なわない範囲で、抽象的で斬新なビジュアルを取り入れましょう。

イラストを用いる

抽象的なグラフィックスに加えて、イラストの活用も有効な選択肢です。写真だけでなくイラストを取り入れれば、キャッチーな印象のある個性を際立たせたデザインが実現できるでしょう。
企業の強みやメッセージなどを的確にイラスト化すれば、強いインパクトを残せるはずです。
イラストは単なる装飾でなく、会社の採用コンセプトや求める人物像を体現する重要な要素と捉え、吟味しながら制作することが大切です。

写真撮影 – 会社の中の人の雰囲気を伝える

採用サイトを通して実際に働く人々の姿を伝えることも重要です。リアルな社員の様子がわかるスナップ写真や動画を用いることで、職場の雰囲気がよりリアルに伝わります。

単に硬い雰囲気の集合写真を載せるのではなく、同僚と話している様子など実際の業務風景を捉えた写真や動画を活用しましょう。言葉だけでなく、そこで働く社員の姿から社風が感じ取れるはずです。
また、撮影の際にはポージングも重要です。無理のある作為的なポーズでなく、実際に仕事をしている中でのリアルな一場面がベストでしょう。社員の人柄が伝わる写真を使用することで、より会社の人達の魅力が引き立つことになるでしょう。

コンテンツ面でのポイント

会社のミーティングの様子

その会社がどういった会社なのかを理解してもらうためには、コンテンツの工夫が必要になります。採用サイトで求められるコンテンツを解説していきます。

企業カルチャーを伝えるコンテンツ

会社の姿勢やメッセージを理解してもらうことで共感を集め、また入社した後のミスマッチを防ぐためにも企業カルチャーをしっかりと伝えることが重要です。採用サイトにはある程度、定石と言える様な定番のコンテンツが存在しています。これらのセクションのコンテンツを通じて何が伝えられるのかを理解し、網羅されている採用サイトを実現しましょう。

代表メッセージ

企業理念を、経営者の言葉で直接語ってもらうことが重要です。冒頭に会社の思いを代表者自らの言葉で示すことは、文字通り最も重要なメッセージになります。人となりが伝わり、企業文化の根幹を感じ取ることができます。
単にミッション文を写すだけでなく、思いの背景や展望、人材に求めることなどを、具体的にかつ親しみやすく語ってもらいましょう。映像でのメッセージも有効で、生の声に温かみや説得力が宿ります。濃い内容の代表メッセージを掲載することで、採用サイトの大きなアピールポイントになるはずです。

ミッション・ビジョン・バリュー

企業が掲げる「ミッション(存在意義)」「ビジョン(目指す姿)」「バリュー(価値観)」を明確に示すことも重要です。冒頭の代表メッセージから自然に繋げて、分かりやすく記載しましょう。
ミッションについては、「私達はこのようなことを通じて、社会にこのような価値を提供したい」というメッセージを伝えます。ビジョンでは将来に向けた夢や目標を示します。バリューでは、行動規範となる価値観を列記します。
こうした企業の根幹にあたる部分をしっかりと発信し、一貫したメッセージを届けることが大切です。理念を明確に示すことで、志の高い人材の共感を得られるはずです。

働く環境の紹介

企業の魅力は言葉だけでは伝えきれません。実際の職場環境を視覚的に分かりやすく伝えることが重要です。
社内の設備や執務スペースの写真を多数掲載し、オフィスの雰囲気を確実に伝えましょう。単に建物外観を載せるのではなく、実際の業務空間の様子がわかるビジュアルが理想的です。スタイリッシュなデザインオフィスだったり、緑に囲まれた開放的な空間だったりと、魅力を写真で感じ取れるはずです。
加えて動画も有効なコンテンツです。実際の業務風景や社内の動きがリアルにわかれば、より一層会社の雰囲気がつかめるはずです。ユーザーの理解を深めるためにも、写真と動画を組み合わせて活用しましょう。

社員インタビュー

サイトを通して社員の魅力を存分に伝えることも大切です。単に会社側からの一方的な説明だけでは物足りません。様々な部署・年代・性別の社員に焦点を当て、それぞれの立場から赤裸々に語ってもらうことで、よりリアリティが増すはずです。

働き方に関する部分では、1日の業務の流れを紹介すると良いでしょう。出勤してからどのように動き、どんな作業をこなすのか、詳細にわたる社員の体験談を掲載します。ポジティブな部分だけでなく、働きにくい面などもあれば忌憚なく述べてもらえば説得力が増します。
キャリアビジョンについても、具体的なビジョンを語ってもらうと良いでしょう。実際にどのようなキャリアパスが描けるのか、先輩社員の例を挙げながらイメージを語れば、将来のキャリアプランが見えてくるはずです。

プロジェクトストーリー

個々の社員の働き方以外にも、具体的なプロジェクト事例を紹介するのも効果的です。特定のプロジェクトを題材に、その取り組みの経緯や成果を、関係者の生の声で伝えましょう。
例えば新規サービスの立ち上げ事例などでは、企画の背景、開発の過程、苦労した点、クリアしたハードル、最終的な成果などを、メンバーへのインタビューを通して描きます。そうすることで、仕事の実態ややりがいがリアルに感じ取れるはずです。
こうした具体的なプロジェクトストーリーは、「この会社では実際にこんな仕事ができる」ということを印象付ける有力な手段になります。関係者の熱意あふれる言葉から、職場の活気や醍醐味が伝わってくるはずです。
単なるプロジェクト概要の紹介にとどまらず、開発の裏側までしっかり掘り下げた、臨場感あるストーリーを心がけましょう。

クロストーク/座談会

社員の個別の声に加えて、複数の社員が集まり、クロストークや座談会形式で会話を交わすコンテンツも有効です。立場の異なる社員同士の spontaneな掛け合いを通して、リアルな人となりや社風が伝わってくることでしょう。

例えば先輩社員と後輩の組み合わせや、人事担当者と現場社員の組み合わせなどが考えられます。テーマを設けて対話させれば、自然な会話の中から、様々な示唆に富む内容が飛び出してくるはずです。
また、自由に雑談するスタイルでなく、あらかじめ会話の方向性を定めて進行することで、ある程度メッセージ性を持たせられます。例えば「会社の魅力を後輩に伝える」「入社時のイメージと実際の違いは?」といった論点を設定すれば、ユーザーが求める情報を引き出しやすくなるでしょう。
こうしたクロストーク形式のコンテンツを取り入れれば、会社の人的魅力をリアルに感じ取ってもらえます。率直な対話から人となりが伝わり、企業の本質が自ずと浮かび上がってくるはずです。

数字で見る会社

経営指標や実績データなど、数値で分かりやすく会社の現状を示すコンテンツも重要です。数字は正確で説得力があり、ユーザーにはストレートに伝わります。
インフォグラフィックスなどを活用し、企業の規模、売上推移、従業員数、平均年齢、男女比などの基本データをわかりやすくまとめて提示しましょう。さらに業績の柱となる製品やサービスの数値も盛り込めば、より会社の実態が理解しやすくなります。

数値を見ただけでは分かりづらい点もあるかもしれません。そういった場合は、そのデータが伝えたいポイントと合わせて簡潔に説明を加えると良いでしょう。例えば説明が冗長になりすぎないよう、わかりやすいキャッチコピーを添えるなどの工夫が求められます。
事業の現状がインパクトのあるビジュアルで可視化されれば、会社への理解が格段に深まるはずです。正確な数値を見ることで、ユーザーの信頼も得やすくなります。

動画の活用

テキスト情報に加えて、動画コンテンツを積極的に取り入れることも重要です。動画は静止画像やテキストと比べて情報量が多く、ユーザーへの訴求力も高いメディアです。
まず、企業理念や代表メッセージに関しては、経営者自らが語る動画があれば説得力が増します。言葉の力強さや人となりがじかに伝わり、会社の本質をよりリアルに感じ取れるはずです。
また、オフィスや業務の様子を収めた映像は、より臨場感を持って会社の雰囲気を伝えられるでしょう。会議の模様や、新人研修の様子、有名プロジェクトの開発風景など、目で見て理解を深められるコンテンツは説得力があります。

動画の尺 (長さ) はケースにもよりますが、1〜3分程度で軽く気持ちで最後まで見通すことができる様にするといいでしょう。テンポが良く、分かりやすい構成で動画を制作することが求められます。見る価値のあるクオリティの高い映像作品を届けられれば、ユーザーの理解と共感は確実に深まるはずです。

福利厚生

待遇面での企業の魅力を伝えるのも重要なポイントになります。有給休暇の取得状況や、健康管理、各種手当など、働くうえで大切な福利厚生制度をわかりやすく紹介しましょう。
単に一覧で列記するだけではなく、社員インタビューのコンテンツと組み合わせて、それぞれの制度が誰にどのように役立っているのかを生の声で伝えるのができれば理想的でしょう。例えば時短勤務やリフレッシュ休暇の取得事例を紹介したりするのも一案です。

給与・昇給や手当・賞与の仕組み、社内の各種研修制度なども、具体的に説明を加えておきたい部分です。企業の教育体制やキャリアパスの明確さがわかれば、より就職活動に役立つはずです。
また、単なる制度の紹介にとどまらず、表面からは見えない企業の人間性を垣間見ることのできる面白い例などあれば紹介してみましょう。

社外活動/サークル

企業内の様子だけでなく、社員の社外での活動を紹介するのも効果的な手段です。単に仕事上の顔だけでなく、他の一面まで見せることで、より人となりを立体的に伝えられるからです。
例えば、スポーツサークルやボランティア活動などの文化的な活動に熱心な社員を取り上げるのは良い選択肢でしょう。そうした場を通して発揮される個性や、日頃の仕事とはまた違った一面を描くことで、ユーザーに新鮮な発見があるはずです。

社外活動の様子を写真やムービーで紹介すれば、より生き生きとした社員の姿を伝えられます。趣味の時間に燃えるようなパッションを持つ人の姿を見ることで、その人物像により親近感が湧くはずです。
こうした社外活動/サークル活動を通して、会社に入れば様々な可能性に出会え、自分の人生を豊かに拓くことができることをアピールできます。働くだけでない、多様な魅力を発信できるはずです。

募集要項・応募方法・選考プロセス・エントリー

上記のコンテンツに加え、採用に直結する募集要項、応募方法、選考プロセスに関する情報を、明確に記載しましょう。
雇用形態、勤務時間、勤務地、仕事内容、給与、待遇、休日・休暇といった基本情報はしっかり網羅しておきましょう。そのうえで、求める人物像やスキルを改めて明示します。
応募の流れと選考プロセスもしっかりと説明することが必要です。エントリーシートの作成方法、面接の形式、課題やテストの有無、最終選考までの所要期間など、できる限り詳しく解説します。さらに良く聞かれる質問例なども掲載すると、応募者にはとても参考になるでしょう。
応募受付は自社のフォームを設置するケースと、外部の求人サイトを経由するケースがあります。いずれの場合も、スムーズにエントリーできるよう、的確にエントリーボタンを配置しておきましょう。

採用サイトを制作するポイントまとめ

ギャラリーサイトを見て成功事例を探す

優れた採用サイトの実例を紹介するギャラリーサイトなどを参考にし、最新のトレンドや成功事例を把握することをおすすめします。自社では気づけないアイデアや着眼点に出会えるかもしれません。
ギャラリーサイトに掲載されて様々な人に見られている採用サイトにはひとかたならぬ価値があり、ブックマークしてよく吟味する価値があります。これまでに解説してきたターゲット層やコンセプト、デザインアプローチ、コンテンツ設計などの点から、優れた事例を分析、研究しましょう。

様々な採用サイトを見て、そのターゲットやコンセプトを考える

ギャラリーサイトだけでなく、自ら幅広く他社の採用サイトを探索し、それぞれのターゲット層やコンセプト設定の違いにも着目するのが良いでしょう。どのように人材をイメージし、どんなメッセージでアプローチしているのかを分析することで、自社サイトの方向性を見極めるヒントが得られるはずです。
同業他社に限らず、異業種の事例からも学ぶことは多いはずです。ユニークなコンセプトや新しいデザインアプローチから、自分の視野を広げられるかもしれません。様々な刺激を受け入れ、それをアイデアの引き出しにしておくことが大切です。

アイデアの引き出しを増やしたら、提案に活用しよう

日頃から様々な情報を収集し、アイデアの引き出しを増やした上で、実際のクライアントへの提案作業にぜひ活用していきましょう。自由な発想を尊重しつつ、クライアント企業の理念やコンセプトに基づいてブラッシュアップを重ねていくことで、説得力のある提案を行えるはずです。