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CMSは、その利便性の高さから多くのプロジェクトで使用されています。需要の高まりを受けて、新しいタイプのCMSが続々と世に出ている状況です。
そこで今回は、2024年にプロジェクトで使いたいCMSの選び方を紹介します。おすすめのCMSもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
CMSとは
CMS(Content Management System)とは、エンジニア以外の人でも簡単にWebサイトをカスタマイズできるシステムです。データの入稿や管理はもちろん、プレビュー表示やデータベースとの連携も一手に担います。
CMSのタイプは、大きく分けて3つあります。
・オープンソース型
・パッケージ型
・クラウド型
オープンソース型はソースコードが公開されているタイプであり、カスタマイズ性の高さが特徴的です。
一方、パッケージ型はメーカーが開発したCMSをインストールします。メーカーのマニュアルの整備やセキュリティ対策など、サポート体制が充実している傾向にあります。
そして、クラウド型はネット経由で利用できるCMSです。ネット環境さえあれば場所を問わず利用できる点は、他のCMSにはない大きなメリットといえるでしょう。
ヘッドレスCMSとは
近年では、海外を中心に「ヘッドレスCMS」を使用するWebコンテンツが増えてきています。
ヘッドレスCMSとはヘッド、つまり表示面・フロントエンド(ビュー)がないCMSです。ヘッドは外部で作成し、データの送受信はAPIを介して行われます。
ヘッドレスCMSにおける最大の特徴は、フロントエンドとバックエンドが独立している点です。これにより、表示速度や作業効率、カスタマイズ性などが向上するメリットがあります。
ただし、運用にはAPIはもちろん、フロントエンドからバックエンドまで幅広い知識が必要です。そのため、導入時にはそれらの知識を有する人材の確保が大切になってきます。
CMSの選び方
CMSの種類は非常に多いため、どれを選べばよいか迷う方も少なくありません。
そこで、CMSの選び方を3つ紹介します。後述のおすすめCMSを見る前に、ひととおりチェックしていきましょう。
導入目的に合わせて選ぶ
一口にWebサイトと言っても、コーポレートサイトやブログ、ECサイトなどさまざまです。CMSも、得意とするWebサイトがそれぞれ異なります。
実運用時に「使いにくい」と後悔しないよう、CMSは導入目的に合わせて相性のよいものを選んでいきましょう。オープンソース型のCMSは、基本的にはブログ構築を前提とした設計になっていることが多いです。そのため、各ページをブログの概念で更新できるかについては精査が必要です。
操作性で選ぶ
CMSはWebサイトの作成のほか、更新作業でも操作します。とくに、更新は内容によっては素早い対応が必要です。
CMSに不慣れな方でもスムーズに作業できるよう、見た目がわかりやすく操作性のよいものを選ぶことをおすすめします。
セキュリティの強さで選ぶ
Webサイトによっては、顧客や企業の機密情報を扱うことも多いでしょう。そのような場合は情報が漏えいしないよう、セキュリティが強いCMSを選ぶ必要があります。一般的にはオープンソースよりパッケージ型の方が標的にされにくいと考えられています。セキュリティ対策に不安があり、継続的なサポートが欲しい場合は、パッケージ型の導入がおすすめです。
拡張性で選ぶ
CMS単体では、プロジェクトで必要となる機能を全て満たしていない可能性もあります。問い合わせフォームの設置、入力フィールドの追加、ログイン画面へのリキャプチャの追加、ページ分割とページネーションの追加など、プラグインによって実装するケースも多くあります。こういったプラグインが充実しているか、またユーザーコミュニティやフォーラムが存在しているかなどもCMSを選ぶ重要なポイントです。
【2022年版】おすすめCMS10選
CMSを選ぶときには、制作するWebサイトの方向性を決めた上で検討することが大切だとわかりました。
最後に、おすすめのCMSを10個紹介します。自社に合ったCMSを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
WordPress
出所:https://wordpress.com/ja/
WordPressは、Webサイトの4割以上を占める最も有名なCMSです。実務のプロジェクトで使うCMSとしては費用は無料です。導入コストの低さも魅力的といえるでしょう。
導入実績が非常に多い分、開発者が多数存在し、無料のオープンソースやプラグインが充実しています。マニュアルなども豊富であり、操作に不慣れな方でも挑戦しやすいCMSです。
ただし、オープンソースな上、使用企業が多いことから、サイバー攻撃の標的にされやすいデメリットがあります。セキュリティ対策を別途きちんと行うことができれば、これほど便利なCMSは他にはありません。
WordPressの基本的なセキュリティ対策としては、使用していないプラグインの削除、ログイン画面へのベーシック認証の追加、最新バージョンへのアップデート、セキュリティ用プラグインの追加などが有効とされています。
Movable Type
出所:https://www.sixapart.jp/movabletype/
Movable Typeは、WordPressに次いで開発者が多く、プラグインが充実しているCMSです。静的ページを生成するため、表示速度が速いというメリットもあります。
一方で、ページ数が多くなりすぎると再構築の動作が重くなりがちです。また、まれにセキュリティ面の脆弱性が狙われるデメリットがあります。
価格プランは、自分でサーバにパッケージをインストールするライセンスの買い切り型 99,000円〜 と、予めインストールされたサーバと一緒に運用していくクラウド版 2,500円/月~15,000円/月があります。また、商用でなく個人ブログで使う場合は、無料で使用することが可能です。
ジンドゥー
出所:https://www.jimdo.com/jp/
ジンドゥーは、200万人以上が利用しているCMSです。AIによるホームページの自動生成が最も特徴的であり、誰でも数分でホームページを作成・公開できます。
無料版はもちろん、低価格(個人990円/法人1,590円)での本契約も魅力的です。Webサイト制作の経験が少ない企業や、低コストで制作を進めたい方におすすめなCMSとなっています。
SOY CMS
出所:https://www.soycms.net/
SOY CMSは、オープンソース型の国産CMSです。無料版のみを展開していますが、有料でサポートの追加ができます。
ブログやCMSの機能を追加できるため、どちらかというとすでにWebサイトを保有している方のほうが導入しやすいでしょう。
また、多様な決済サービスに対応しており、ECサイトの導入を検討している方にもおすすめです。
ferret One
出所:https://ferret-one.com/
ferret Oneは、BtoB向けのCMSです。初期戦略の設計などのBtoB向けサポートが充実しており、600社以上が導入しています。アクセス解析やリード獲得機能など、マーケティング分野の機能も豊富です。
初期費用、月額利用料ともに10万円と高額ですが、BtoB事業を成功させたい方にとっては導入の価値は十分あるでしょう。
CONNECTY
出所:https://www.connecty.co.jp/
CONNECTYは、日本の大手企業をターゲットに開発されたCMSです。実際、ドトールコーヒーやロッテで導入されています。
最も特徴的なのは、Webサイトが複数あっても一元管理ができる点です。静的・動的どちらにも対応できるため、複雑な構造のWebサイトもCONNECTYひとつで完結できます。
microCMS
出所:https://microcms.io/
microCMSは、国内の導入実績が3,000社以上を誇る国産ヘッドレスCMSです。データベースを自由に組み合わせられるため、複数のWebサイト運営に向いています。
また、0円/月~165,000円/月と価格プランは幅広く、それぞれ登録できるメンバー数やAPI数が異なります。そのため、プロジェクトの規模にあわせてプランを選択しやすいといえるでしょう。
Shifter
出所:https://www.getshifter.io/
Shifterは、最も使いやすいヘッドレスCMSと言っても過言ではありません。その理由は、バックエンドにWordPressが使用されているからです。
操作性はWordPressそのものであり、はじめてヘッドレスCMSを扱う方でも操作しやすいでしょう。とくに、WordPressに慣れている方は導入しやすいヘッドレスCMSとなっています。
Contentful
出所:https://www.contentful.com/
Contentfulはユーザー数2,200以上と最も知名度が高い、クラウド型のヘッドレスCMSです。サーバー管理が不要なため、人的コストの削減にもつながります。
国外産で日本語非対応なものの、直感的な操作が可能です。使用できるか不安な方は、無料版から試してみてはいかがでしょうか。
CMSはプロジェクトの目的に合わせて選ぼう
CMSは近年盛んになっているオウンドメディアのコンテンツ制作において、欠かせないシステムとなっています。とはいえ、各用途に合わせてCMSを選定したり、メリットやデメリットを深く掘り下げて比較するためには、多くの経験が必要となります。
一般的にはセキュリティ対策をしっかりと行ったうえで、オープンソースのWordPressを導入するケースが多くあります。
まずはプロジェクトの目的や方向性をしっかりと定めてから、相性のよいCMSを選ぶようにしていきましょう。
CMSの使用歴はポートフォリオ記載がおすすめ
Webサイト制作に携わる職種であれば、CMSに触れる機会が多々あります。どんなCMSを扱ってきたかという実績を示す際には、ポートフォリオへの記載がおすすめです。
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CMSの使用歴を実績としてアピールしたい方は、ぜひ一度利用してみてください。