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ブランドデザインを学ぼう!CIデザイン・VIデザイン・BIデザインとは?違いを総まとめ

より多くのユーザーに支持されるサービスを作るためにはブランディングが重要です。ブランディングという概念が一般的になり、デザインの担当領域が拡大するにつれて、様々なデザインの定義が決められています。特にブランドデザインでは、CIデザイン・VIデザイン・BIデザインという言葉がよく使われています。
この記事では、CIデザイン・VIデザイン・BIデザインのそれぞれの定義や違いについて紹介します。

CIデザインとは

まずCIとは、コーポレートアイデンティティ(Corporate Identity)の略で、企業の統一性、独自性という意味です。
CIデザインとは企業の統一性や独自性を企業内外にどう伝わるのかをデザインして示すことです。簡単にいうと企業のイメージをデザインしてまとめたものです。

CIデザインが必要な理由

CIデザインは、ブランドイメージを正しく広めるために必要です。コーポレート・アイデンティティを企業内外に広め、企業の認知に繋がります。

またCIデザインは後述するVIデザイン、BIデザイン、MIデザインの3つからなるものです。

VIデザインとは

まず、VIとはヴィジュアル・アイデンティティ(Visual Identity)の略で、ビジュアルの統一性、独自性という意味です。

CIデザインを構成する一つの要素で、CIデザインの視覚を担うのがVIデザインです。

VIデザインが必要な理由

VIデザインは、CIデザインをビジュアル化したもので、CIデザインをより伝わりやすくするために必要です。

そのため例えばiPhoneなどのApple社といえば、頭にマッキントッシュのりんごをモチーフにしたのロゴが頭に浮かびます。このりんごのロゴがVIデザインです。

BIデザインとは

まず、CI・VIの話をするときに出てくるBIという言葉は2種類あります。
1つはブランド・アイデンティティ(Brand Identity)の略で、ブランドの統一性、独自性という意味です。

もう1つはビヘイビア・アイデンティティ(Behavior Identity)の略で、行動、振る舞いの統一性、独自性という意味です。

この2種類は別物で、ブランド・アイデンティティはCIデザインと似たような考えで、CIデザインは企業のブランディングについて、BIデザインは商品や企業が運営するブランドのブランディングについてを示しています。

ビヘイビア・アイデンティティはVIデザインと同じくCIデザインを構成する一つの要素で、CIデザインの行動を担うのがBIデザインです。

BIデザインが必要な理由

ブランド・アイデンティティデザインは、ブランドのイメージを作るために必要です。またCIデザインと矛盾しない必要があります。

ビヘイビア・アイデンティティデザインはCIや次に出てくるMIを行動で示すという意味で必要です。

MIデザインとは

まず、MIとはマインドアイデンティティ(Mind Identity)の略で、理念の統一性、独自性という意味です。

CIデザインを構成する一つの要素で、CIデザインの理念を担うのがMIデザインです。

MIデザインが必要な理由

MIデザインは、企業名やブランドにどのような意味を込めるか示す指針となるため、必要です。そういう意味ではCIデザインを構成するMIデザイン・BIデザイン・VIデザインの中で一番はじめに取り掛かると全体の統一性を出しやすいでしょう。

指針や理念は企業の共通言語を生み出す軸になるため、ストーリーを持って作る必要があります。先代の社長や役員、立ち上げメンバーも関わって作り上げましょう。

CIデザインとVIデザインの違い

上で説明したCIデザインとVIデザインについて詳しく説明します。

CIデザインは視覚情報を伴わない場合に使われる

CIデザインは受け取る側のイメージや思考をデザインします。
CIには企業の独自性を明確にし、顧客や世間にどの様に認知されたいかどう思われたいか、どのようなイメージを持たれたいかという経営戦略の一つです。前述した通り、VIデザイン、BIデザイン、MIデザインの3つからなるもので、ビジュアル、行動指針、企業理念を統括する軸となるものです。

具体的には、下記のような要素がCIデザインを軸として基づいて作られています。

会社名(VIデザイン)
ブランド名(VIデザイン)
ミッション(MIデザイン)
ビジョン(MIデザイン)
バリュー(MIデザイン)
スローガン(MIデザイン)
理念に紐づく一貫された行動(BIデザイン)
ミッションやバリューをサイト上で書き示したもの(VIデザイン)
店舗やショップ(VIデザイン)
名刺(VIデザイン)
コーポレートサイト(VIデザイン)
社員の中で共通する価値観(CIデザイン/MIデザイン)

前述の様に、CIがブランドや事業、企業のアイデンティティと深く結びついているため、そのため企業の買収や合併 (M&A) が行われた場合にをするとCIデザインが刷新されることがありますます。

CIデザインが刷新されるということは理念や行動指針から、ビジュアルまでを丸ごと新しくするということです。

CIデザインの作り方

CIデザインを作るには、まずMIデザインから作ると良いでしょう。MIデザインは理念や会社の考え方で、最初にここを決めておくと、VIデザインやBIデザインがすべて理念に基づくものになります。
実務では、社内の様々な部署や役職の方が外部から招いたファシリテーターのもとでワークショップなどを行い、それぞれの価値観を共有し、潜在的な意識を掘り下げ言語化していくことで、統一したアイデンティティを浮き彫りにしていくアプローチが多いです。

逆にビジュアルを先行してCIデザインを作ると、ロゴの意味付けやコーポレートカラーの意味付けを後からすることになるので、無理やり意味を付けたように感じてしまったり、理念とマッチしないなど企業として一番大切な考え方が伝わらなくなってしまいます。

MIデザインを決めたあとは、BIデザインを作ると良いでしょう。BIデザインは行動の統一性を図るもので、企業理念を日頃の行動に落とし込んで作ります。

その際に、細かく企業理念の考えを理解することができ、企業理念に伝わりづらい点があった場合や、矛盾が生じた場合に修正することができます。BIデザインを経て、MIデザインが固まったあと、VIデザインを作りましょう。

例えば、MIデザインに高級感や重厚感を顧客や世間に感じさせる内容があれば、コーポレートカラーもそれを意識したもの自然とコーポレートカラーはネイビーや黒をメインとしたものになるでしょう。

同時にロゴのフォントや名刺に使う紙の素材も統一感重厚感のあるものを選ぶことができるでしょう。

VIデザインは視覚情報を伴う場合に使われる

VIデザインはCIデザインの中で視覚情報を伴う場合に使われる言葉です。一般的に人間が受け取る情報のうち、80%以上は視覚からと言われています。

VIデザインはCIデザインよりも直感的に伝わりやすいため、CIデザインの意図をを大いに反映したデザインである必要があります。

企業ロゴや会社名を一般公募により集める方法もありますが、企業理念や企業の共通言語を理解した社内で作り上げるとより、理念の反映されたVIデザインが出来上がるでしょう。

CIデザインとVIデザインはブランディングに必要な要素

CIは1950年代にモダンアートとともにアメリカで広まった考え方で、デザインの商業的価値への関心が高まり、ロゴや企業理念などをデザインすることは企業価値を高めるために必要だと考えられるようになりました。日本では1975年にマツダが最初に導入したと言われており、その後1980年代に広まりました。

最近ではCIの考えを引き継いだ考えと言われているブランディングが広まっていますが、CIに立ち返ることでブランディングの考えがより細かく理解できます。

よって、CIデザインとVIデザインは、ブランディングの要素の1つとして考えると理解しやすいでしょう。

この記事ではCIデザインは視覚情報を伴わない場合に使い、VIデザインは視覚情報を伴う場合に使うと定義しておりますが、諸説あり現場ではCIデザインは企業ロゴやシンボルマーク、企業理念など企業全体のビジュアルをさし、VIデザインはブランドやショップのビジュアルをさすことも多いようです。

自分が所属する企業ややり取りする相手が何をCIデザインとしているのか、齟齬が生じないように確認しましょう。

ブランドガイドラインの作成

ブランドガイドラインは、ブランドの価値を一貫して伝え、その認知度を高めるための重要なツールです。それは、ロゴの使用方法、カラーリング、タイポグラフィ、イメージの使用など、ブランドの視覚的な要素を定義する資料です。

まず、ロゴの使用について考えてみましょう。ロゴはブランドの顔であり、その使用方法を明確にすることで、一貫性と認識性を保つことができます。ロゴのサイズ、配置、色、背景など、どのような状況でもロゴが正しく使用されるようにガイドラインを設定します。

次に、ブランドのモチーフについて考慮します。モチーフはブランドの世界観を伝えるための強力な要素の一つであり、それを適切に使用することで、ブランドの個性と価値を訴求することができます。モチーフの使用方法、サイズ、色、配置などを明確に定義しましょう。

ブランドのレギュレーションについて説明します。これは、ブランドの視覚的な要素がどのように使用されるべきかを定義するルール一式です。レギュレーションは、ブランドの一貫性を保つために重要であり、ブランドの価値を損なうことなく、ブランドの視覚的な要素を適切に使用するためのガイドラインを提供します。

ブランドガイドラインの作成は、ブランドの価値を一貫して伝え、その認知度を高めるための重要なツールです。ブランドの視覚的な要素を定義し、それらがどのように使用されるべきかを明確にすることで、ブランドの一貫性と認識性を保つことができます。

デザインガイドライン

同じガイドラインという言葉が使われる、似たレギュレーション資料としてデザインガイドラインがあります。デザインガイドラインは大規模サイトや複数ページの制作が必要なWebサイト・アプリを作る際に用意されることがあります。こちらの記事も参考にしてみましょう。