目次
デザイン業界で活躍するデザイナー、ディレクター、エンジニアといったクリエイターにとって、キャリアの見直しと新たな可能性を探ることはとても重要なことです。世の中にある様々なサービスが多くのクリエイターの力によって生み出され、新しいサービスを開発したい企業にとって優秀なクリエイターはとても採用したい職種です。
この記事では、デザイナー、ディレクター、エンジニアといったクリエイターの方々が転職を考えるベストな時期やタイミングと、転職活動で成功するためのポイントをご紹介します。転職に向けた準備期間の目安や転職に不安を感じている方の背中を押せる様なアドバイス、ポートフォリオアピールする方法も紹介しています。
デザイン・デジタル業界に関わる人にとって様々な仕事の選択肢がある時代に
デジタルの進歩によるデザイナーのニーズ増大、スマートフォンやタブレットの普及、さまざまな製品・サービスのデジタル化がどんどん進み、UIデザインやUXデザインなどのデザイナー、それらを実装できるエンジニア、プロジェクトを主導できるディレクターといった職種の役割が重要視されるようになりました。
また、現役で仕事をしているクリエイター、中途からクリエイターを目指す方々、新卒でクリエイターを目指す学生は多いものの、その数は必要とされている数に比べて絶対的に不足しています。企業間で採用の競争が起きている背景にはクリエイター供給不足があります。
成長するデザイン制作会社やサービスを運営する事業会社がデザイナーの採用を強化したり、場合によっては高待遇の求人が増加するなど、人材獲得競争は激しさを増しています。
このようにデジタル化とIT企業の台頭によるデザイン需要の急増と供給不足が、デザイン人材の獲得競争を加熱化させる主な要因となっているのです。
これは企業に入って仕事をするクリエイターの目線に立つと、様々な企業で仕事ができる選択肢が増えていると言えるでしょう。これまでの経験やスキルを活かし、新天地を見つけることで理想とするキャリアパスを歩める可能性が高まっています。
クリエイター職の転職に適した時期・シーズン
デザイナー、ディレクター、エンジニアなどのクリエイター職にとって、転職の時期やタイミングを見極めることは非常に重要です。新しい環境で新たな挑戦をする好機を逃さず、スムーズに移行できるように、時期を検討していくと良いでしょう。
以下に転職に適した時期・シーズンとその背景について解説をしていきます。
3月〜4月
3月や4月といった新年度の始まりは、デザイナーやディレクター、エンジニアなどのクリエイターにとって新しい環境で働き始めるのに適したタイミングです。新しいプロジェクトが立ち上がる機会が多く、自分のキャリアを発展させる絶好の機会となります。
企業側も、新年度から気持ちを新たにプロジェクトを立ち上げる時期です。そのため、デザイナーの見直しや新規採用に前向きな姿勢を見せることが一般的です。
新入社員の研修や教育体制も安定しているため、デザイン分野に限らず新しいメンバーを受け入れやすい環境が整っている時期です。
6月〜7月
6月や7月にかけては、一定の企業において夏のボーナスシーズンとなるため、在籍中のボーナスを受け取ってから退職することも賢い選択と言えるでしょう。これまでのがんばりや評価を対価として受け取る権利は十分にあります。手元資金が充実していると、転職活動にも心の余裕を持って臨むことができるでしょう。
また、上期のプロジェクトを振り返り、自分のキャリアを冷静に見つめ直すのに適した時期でもあります。デザイナーとして成長できる環境が見極め、新たな挑戦をする時期なのかを判断するチャンスとなります。
9月〜10月
上半期と下半期の節目である9月から10月は、Webサイトのリニューアルや新規開発着手のタイミングとなることが多い時期です。特にエンジニアのニーズが見直される時期です。
新たなプロジェクトのフェーズに合わせて、新しいデザイナーを加えたいと考える企業が多くあります。プロジェクトが始まる時期にデザインチームを強化し、理想的な体制を整えようと考えている時期です。
デザイナー側も、この時期に転職すると、新しいプロジェクトの立ち上げから関われる可能性があります。自分のアイデアを活かせるスタートラインに立てるチャンスがあるのです。
12月〜1月
12月〜1月は、プロジェクトの納品が終わったり、次の年の新規プロジェクトの立ち上げの準備が本格化する時期で、体制プロジェクトの立て直しが行われます。特にディレクター人材の見直しがされる時期です。
また、1年の切り替えは人生の新たなスタートを切るのに適した時期であり、新しい環境で働き始めるのに最適なタイミングと言えます。年末に仕事を一区切りさせて、年末年始にゆっくりとお休みを取り、リフレッシュした気持ちで新年を迎えるのも良いでしょう。
この時期はクリエイターにとって、キャリアの将来像を見据えて、自分のスキルアップやさらなる飛躍を目指す良い機会となります。
企業側も、年度の節目となる時期です。次年度に新規プロジェクトの準備や立て直しを行う時期でもあり、デザイン人材体制の見直しを検討する会社が増えてきます。年明けから新たな陣容で臨めるよう、この時期に人材を獲得しようと動く企業は少なくありません。
通年採用を実施する企業も増加中
上記では、一般的に転職が活発になる時期とその背景について解説をいたしました。一方で冒頭で解説した様に、デザイン制作会社やサービスを運営する事業会社の採用意欲は高く、採用したい人員を確保するために、時期を問わず一年を通じて積極採用するケースも増えてきています。
転職活動に必要な準備期間は?
デザイナー、ディレクター、エンジニアなど、クリエイティブ職への転職を考える場合、しっかり準備期間を確保することが重要です。余裕を持って下記の各ステップを行うことで、良い条件で転職を勝ち取る可能性が高まるでしょう。
履歴書・職務経歴書・ポートフォリオなど応募書類の準備に2〜4週間
転職活動の第一歩は応募書類の作成です。自分の能力を適切にまとめ、これまでの実績を魅力的に伝えるポートフォリオを準備するには2〜4週間程度が必要です。
自分の過去の実績を見直し、どのようにアピールするか分析していきましょう。プロジェクトの詳細、自分の役割、達成した成果を明確にまとめ、最終的に仕上がった成果物、ワイヤーフレームやカスタマージャーニーマップといった途中成果物を掲載してどの様なステップでプロジェクトが進められたのかもしっかりアピールしましょう。
応募先企業の検討に2週間
クリエイター職では、様々な面から応募する企業を選ぶ必要があります。まずは制作会社か事業会社か、デザイナーやディレクターならWeb、グラフィック、UX/UIなどのアプリ、エンジニアならフロントエンドかバックエンドか。掲載されている求人情報をもとに業界や企業を改めて研究し、自分に合った企業を捉えましょう。
制作会社の場合、これまでの制作実績が大きな判断材料となります。Web制作、映像制作、グラフィックデザインなど、得意分野や強みを生かせる企業かどうかをチェックしましょう。
一方、事業会社ではサービス内容が重要視されます。自社メディアの運営やECサイト、アプリ開発などの分野で、自身の経験を活かせる環境があるのか注目する必要があります。
このように、転職先を検討する際には2週間程度をかけて、自分の経験とスキルセットに合った企業を選ぶことが賢明です。 企業のウェブサイトやSNSのリサーチを怠らず、価値観やキャリアプランとのマッチングを念入りに確認しましょう。
面接や選考に4〜8週間
選考選考を通過してからの面接や最終選考までに、4週間から8週間程度の期間を要します。複数の企業と並行して選考を進める場合はさらに時間がかかります。
面接では自分のスキルや人間柄、実績などを正しくアピールする必要があります。企業によって面接のステップが多かったり、課題への対応なども求められたりすることもあり、期間が長くなる場合があります。 複数の企業を受けている場合は、それぞれのスケジュール管理が必要です。
転職活動を円滑に進めるためには、十分な余裕を持って期間を見ていくことが重要です。焦らずに余裕を持って対応することで、良い結果を残せるでしょう。
現在の職場から退職するのに4〜8週間
無事に内定が決まれば、前の職場への引き継ぎや退職手続きに4〜8週間程度の期間を見越しておきましょう。
プロジェクトの引き継ぎを行い、後任者への引き継ぎをしっかりと行うことで、退職後のトラブルも防ぐことができます。
また、社内の規定や上長や人事部門への適切な十分な報告と手続きを行う必要があります。退職予定日の調整なども、トラブルを回避するためにも、期間を確保しましょう。
転職したい時期の4〜6ヶ月程度前から活動しよう
上記の内容を踏まえ、転職したいタイミングの4〜6カ月前から転職活動を始めることが賢明です。
転職活動には様々な準備が必要とされ、それぞれに期間を要します。書類作成、企業調査、面接対策、現職の引き継ぎなど、余裕を持って取り組む時間を整えることが求められます。
特に複数の企業を見据えた場合、選考のスケジュール調整が必要になります。 4〜6カ月前からスタートすれば、焦ることなく十分に活動できるはずです。
転職活動に迷ったらキャリアカウンセリング
転職は人生の大きな節目であり、不安な点も多いはず。 そんな時は専門のキャリアカウンセラーに相談するのがひとつの手です。 第三者の客観的な視点から、自分のキャリアを見つめ直すことができます。
経験豊かなカウンセラーは、あなたの適性や長所、志向性などを冷静に分析し、アドバイスをしてくれます。自分では気づきにくい強みや可能性を見つけてくれるかもしれません。
キャリアカウンセリングでは、自分に合った仕事や企業を見つける手助けをしてくれます。転職に関する様々な疑問にも丁寧に答えてくれるでしょう。履歴書やポートフォリオの添削サービスを行っているところも多くあります。
デザイナー、ディレクター、エンジニアは専門性が高く、キャリアの選択肢も多岐にわたります。カウンセリングで自分に合った道を見つけられるでしょう。
専門家に相談することで、自分のキャリアをより深く考え、より良い選択ができるはずです。 不安を一人で抱えず、カウンセリングを積極的に活用するのがおすすめです。
クリエイター支援メディアのBRIK JOBではカウンセリングサービスを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
転職成功の鍵はポートフォリオ作成
デザイナーの転職では自身の経歴をまとめたポートフォリオは必須です。ポートフォリオはスキルを最も雄弁に語る武器とも言えます。優れたポートフォリオを用意することができれば、転職活動において大きな強みとなるのです。
ポートフォリオには自分の経験や実績、デザインに対する情熱や能力をわかりやすくまとめることが大切です。採用企業は、そこからあなたの専門性や創造力、論理性などを読み取ります。
そのため、ポートフォリオ作りにはデザイナーとしての高い意識が求められます。
具体的には、過去に携わったプロジェクトの背景や課題、自分がどのようにアプローチし、どのようなアクションをしたかを分かりやすく説明する必要があります。文章だけでなく、図解や動画などのビジュアルツールを積極的に取り入れましょう。
それに加えて、企業の課題解決のため、ポートフォリオの中でその企業への思いや意見も語ることもおすすめです。その企業に対し自分の価値をアピールできれば、採用に向けて大きな力になるはずです。
ポートフォリオを作ったことがない。うまく作ることができない。そんな人には、無料でポートフォリオを作成できる「BRIK PORTFOLIO」がおすすめです。誰でも簡単にクリエイティブなポートフォリオを作成することができます。
最後に、クリエイターにとっての転職は、キャリアアップのための大切な転機です。
転職は一朝一夕にはできるものではありませんが、キャリアアップのための絶好の機会でもあります。 動き始めることでキャリアの可能性は広がっていくことでしょう。新しい挑戦を恐れず、飛躍のための一歩を踏み出しましょう。