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サービスデザインとはどんな仕事?UIデザイナーやWebデザイナーが身につけるべき知識を例を交えて解説!

サービスデザインとは、「誰一人取り残されない」デジタル社会の実現に向けてユーザーの体験価値を考慮した新しいサービス作りや既存の事業改善ができるように環境を設備していく方法論です。

デジタル庁でもサービスデザインを推奨しており、誰もが、いつでも、どこでも、デジタル化の恩恵を享受できるようにすることでユーザーに選ばれる商品やサービスを生み出せることから、近年注目されています。

今回はそんなサービスデザインの仕事内容やサービスデザイナーがデザインするもの、サービスデザイナーに必要なスキルなどについて詳しく紹介します。

サービスデザインとは

サービスデザインは、欧米では「デザイン思考という概念を具体的にビジネスに落とし込む」という文脈で用いられています。

優れたデザイナーであればあえて意識せずとも商品開発やサービス開発において企業活動に正しく落とし込むことができている人もいます。

ただ単純に商品を購入するまでのプロセスを考えるのではなく、商品購入、利用までにユーザーが経験した全てについて、デザインすべきサービスととらえ、デザインの対象に含めることが求められているのです。

経済産業省では、サービスデザインに関する方法論を次のように唱えています。

「顧客体験のみならず、顧客体験を継続的に実現するための組織と仕組みをデザインすることで新たな価値を創出するための方法論」
出典:経済産業省|令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業

もともとはマーケティングや経営の領域の一部とされていましたが、現在UXデザインやソーシャルサービスのデザイン、ビジネスデザインなどに導入されています。

サービスデザインとはどんなことをするの?

サービスデザインとは、価値と関係を可視化し、プロダクトのイメージを共有することが主な目的です。

例えば、カフェを例に挙げて考えてみたいと思います。カフェに行く目的は人によって様々ですが、元来はコーヒーを提供するということが目的であったと思います。ただ、単純にコーヒーを飲むだけでなく、そこで過ごす「心地良い時間」が大切であることは理解していただきやすいと思います。

「心地良い時間」を提供するためには、カフェの内装や家具、BGM、コーヒーを飲むカップ、接客など様々な要因が関わっています。
最終的に利用者に「心地良い時間」を提供するためには、こういった広い視野を持って全体のサービスを提供する必要があります。この面で、サービスデザインの考えが有効とされています。

また、サービスデザインは直接的にビジネスの根幹(利益)にも関わりがあり、このような価値のビジョンを視覚化できるようにデザインすることもサービスデザインの考え方とされています。

近年では、人間中心設計やデザイン思考 (デザイン・シンキング)、デザイン経営の手法を取り入れて具体的にビジネスに落とし込もうとすることで発展しています。

UXデザインやCXとの違い

サービスデザインはUX (ユーザー・エクスペリエンス) デザインとCX (カスタマー・エクスペリエンス) との関わりが深いです。

UXデザインはサービスやプロダクトを通じて、ユーザーやプロダクトの中から自社の商品やサービスを選んでもらうために顧客体験を設計することです。

CXとは、マーケティングや経営戦略のコンセプトで、商品やサービスの機能・性能・価格といった「合理的な価値」だけでなく、購入語のフォローアップなどの過程における価値の訴求を重視するものです。

UXデザインとサービスデザインの考え方をリンクすれば、ユーザーの顧客体験だけでなくそれを提供する企業や環境などのさまざま視点が生まれ、より一層顧客体験を提供できるようになります。

基本的な定義や関係性は異なりますが、相違性のある言葉となっています。

サービスデザイナーの仕事内容

サービスデザイナーの主な仕事は、以下2点です。

  • 新しい事業の創出とアイデアの提案
  • 課題解決に必要な可視化デザインの作成

サービスデザイナーは基本的に「何をどうビジネスに活かせばいいのか」「何をどのような方法で利用者に伝えればいいのか」などの失敗や課題を回避するために利用者にとっての利便性を突き詰めていきます。

簡単に説明すると、有効な手法やフレームワークなどを駆使してブレなくプロジェクトが進むように導くのがサービスデザイナーの仕事です。

新しい事業の創出とアイデアの提案

サービスデザイナーはユーザーにとってどんな商品やサービスを作れば満足いくのか、今後の事業展開をしていくために必要なモノ何かなどの新しい事業の創出とサービスアイデアの提案を行うのが一つです。

課題解決に必要な可視化デザインの作成

サービスデザイナーはクライアントが抱える課題解決に必要な可視化デザインの作成を行います。

具体的にはカスタマージャーニーマップ(CJM)やペルソナなどの手法を使い、調査分析結果を可視化することでユーザー視点のサービスデザインを提案します。

サービスデザイナーがデザインするもの

サービスデザイナーがデザインするものは、以下4つです。

  • ペルソナ
  • カスタマージャーニーマップ(CJM)
  • ストーリーボード
  • ステークホルダーマップ

ペルソナ

ペルソナは商品やサービスの典型的なユーザー像のことで、マーケティングにおいて活用される概念です。

実際にその人物が存在し、商品やサービスを購入するかのように、年齢や性別、居住地、職業、年収、家族構成、といったデモグラフィーと呼ばれる情報や、価値観、喜びを感じるポイント、痛みを感じるポイントなどリアリティな詳細情報を設定します。

カスタマージャーニーマップ(CJM)

カスタマージャーニーマップ(CJM)は上記で設計したペルソナについて、購買行動と自社の接点を可視化して、ペルソナのインサイトや自社の課題をチームや部署内で共有するための手法・ツールです。

ストーリーボードよりもユーザーの心境が一目で分かりやすくデザインされたもので、抱える課題をカスタマージャーニーマップ(CJM)を通じて共有し、解決するためのデザインを設計します。

一連の購買行動の中で、ペルソナの感情を曲線などで表して、気持ちが高まるポイントやストレスを感じるポイントを明らかにします。そのうえで、気持ちを高めたままどの様にして最後のアクションまで結びつけられるかの全体設計を行います。

ストーリーボード

ストーリーボードはプロダクトやサービスのユーザー体験をイラストや画像を使ってストーリー化する手法です。

アイデアの疑似体験を可能にするツールで、実際に見たユーザーが共感できるか、どのポイントで感動するのかなど、ユーザー目線に立って体験することができます。

より細かくビジュアル化することで、カスタマージャーニーマップ(CJM)よりも流れを把握しやすいのが特徴です。

ステークホルダーマップ

ステークホルダーマップはプロジェクトを取り巻く人や組織と、その関係性を図式化したものです。

具体的には、サービスの全体像や情報の流れ、これまで気付かなかった利害関係者を可視化することもできます。

マインドマップ型、マトリクス型、表型などの形式があり、最近ではオンラインツールを利用する場合が多いです。

サービスデザイナーに必要なスキル

サービスデザイナーには次のようなスキルが必要です。

  • 多角的な視点で物事を捉える能力
  • 人を惹きつける表現力
  • UXデザインに関する知識

多角的な視点で物事を捉える能力

サービスデザイナーは事業者としての視点はもちろんですが、ユーザー視点、技術的視点、社会的な視点などの多角的な視点で物事をとらえる能力が求められます。

一つの視点だけではどうしてもユーザー目線の考え方は難しく、多角的な視点で課題解決へと導く必要があるのです。

人を惹きつける表現力

サービスデザイナーはユーザーに伝わりやすい言語化や思考の視覚化などが求められます。

単純に分かりやすい情報を明示するのではなく、デザイン要素を的確に加えることでユーザーの関心を惹く魅力的でインパクトの強い提案の実現ができるのです。

UXデザインに関する知識

サービスデザイナーはUXデザインに関する知識も必要です。

サービスデザイナーはデザイン領域のサービスデザインを行ううえで必須です。

UXデザインに関する知識がないとそもそもデザインに落とし込むことはできないため、まずははじめに身に付けておくべき知識とも言えるでしょう。

サービスデザイナーに向いている人の特徴

サービスデザイナーに向いている人には、次のような特徴があります。

  • 多角的に物事を捉えることができる人
  • 経営に興味がある人
  • デザインについて考えるのが好きな人

サービスデザイナーはクライアントやユーザーが抱える課題を整理して、その課題を解決するための方法やロジカルに物事を捉える能力が求められます。

また、サービスデザインのゴールは、サービス提供にあるため、常日頃からサービスデザインに活かせるようにマネジメントスキルを学んでおくことが大事です。

他にも、そもそもデザイン全般に興味がある人であれば、サービスデザイナーとして有利に働くことができるでしょう。

サービスデザインはUXデザインとの関連性も深く、さまざまデザインを吸収すれば魅力的なUIをデザインすることができるのです。

サービスデザインは俯瞰的な視点が重要

今回はそんなサービスデザインの仕事内容やサービスデザイナーがデザインするもの、サービスデザイナーに必要なスキルなどについて詳しく紹介してきました。

サービスデザインは個人の視点だけでなくクライアントやユーザーなどの多角的な視点が大事です。

また、サービスデザイナーは顧客体験を提供する組織や仕組みをデザインすることも新しい価値を生み出すことになるため、全体的な視点を持って自社の商品やサービスをデザインすることが大事です。

経験者デザイナーがサービスデザインの仕事を探すためには

経験者デザイナーの場合、自身で仕事を探すより、専門転職エージェントに依頼することで様々なメリットを享受できることがあります。より良い条件の会社やポジションを紹介してもらえる、採用確度を高めるためのアドバイスや添削サービスを受けられる、最新の転職市場の動向を教えてもらえる、などがあるため、まずは気軽に相談をしてみると良いでしょう。クリエイター支援メディアのBRIK JOBではカウンセリングサービスを行っています。

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