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Webディレクターが知っておきたいシステム開発の基本知識とは?

目次

Webサイトにおけるシステム開発とは、Webサイトやアプリを利用したシステムの開発・構築を指します。Webディレクターとして、Webサイト制作において担当する役割を拡大し、成果物の品質や効果を高めるためにも、システム開発の基本的な知識が必要です。

単純なシステム開発であれば、WordpressやMovable Typeをはじめとする汎用的なCMSを用いてある程度の機能を実装することができます。ただ、より高度なコンテンツ更新、外部とのデータ連携などが必要になる際にはシステム開発が必要になります。その際にも、スクラッチで行うか、SaaSを用いるかなどの判断が必要になります。

システム開発が必要なプロジェクトとしては、オンラインショップ、検索サイト (様々な検索条件を指定して検索結果を表示させるサイト)、予約サイト、外部の基幹データベースやAPIとデータ連携するサイト、などが挙げられます。

本記事では、Webディレクターが知っておくべきシステム開発の基本知識を解説します。各章ごとに、システム開発の基本的な知識を網羅的に解説しています。Webディレクターとして、システム開発における知識や技術の習得に取り組むことで、WebサイトやWebアプリケーションの開発における課題解決能力を高め、優れた成果物の制作につなげることができます。

はじめに

Webシステム開発の概要

Webシステム開発とは、Webブラウザからアクセスできるインターネット上でのシステム開発のことを指します。Webシステムの開発には、プログラミング言語の知識やデータベース設計、Webアプリケーションフレームワークの利用などが必要です。

Webシステム開発の特徴

Webシステム開発の特徴は、Webブラウザからアクセスできるインターネット上でのシステムであることです。Webシステム開発に必要なスキルには、プログラミング、データベース設計、Webアプリケーションフレームワークの利用などがあります。

Webシステム開発の流れ

Webシステム開発の流れは、要件定義、画面設計、システム設計、実装、テスト、運用という工程に分かれます。このうち、設計が非常に重要であり、適切な設計を行わないと後の工程での手戻りが増え、開発期間が長引く原因となります。

Webシステム開発における設計の重要性

Webシステム開発においては、設計が非常に重要です。設計には、要件定義や画面設計、ユーザーエクスペリエンスの考慮などが含まれます。適切な設計を行わないと、後の工程での手戻りが増え、開発期間が長引く原因となります。

スクラッチもしくはSaaS利用の検討

Webシステム開発において、システム開発の方法として、スクラッチから開発する方法と、SaaSを利用する方法があります。ここでは、スクラッチから開発する方法と、SaaSを利用する方法について説明します。

スクラッチから開発する方法

スクラッチとは基本的には、ゼロからプログラミングしていく方法を指します。スクラッチから開発する方法とは、自社で開発環境を整備して、必要な機能を実装していく方法です。

Webシステム開発に必要な技術や開発ツール、フレームワークを揃える必要があります。この方法のメリットは、システムの要件に合わせたカスタマイズが容易であることです。しかし、開発コストや時間がかかるというデメリットもあります。

SaaSを利用する方法

SaaSを利用する方法とは、既存のSaaSを利用して、システムを構築する方法です。SaaSを利用することで、必要な機能が揃っており、導入コストや時間を抑えることができます。また、セキュリティやバックアップなどの管理もSaaS側が行ってくれるため、運用面でも安心です。ただし、機能のカスタマイズが難しいことがデメリットです。

スクラッチから開発する方法とSaaSを利用する方法の選択

スクラッチから開発する方法とSaaSを利用する方法のどちらを選択するかは、システム開発の要件や予算、納期などによって異なります。システム開発の要件が高度で、カスタマイズ性が求められる場合には、スクラッチから開発する方法が適しているかもしれません。一方、予算や納期が限られており、機能のカスタマイズが不要であれば、SaaSを利用する方法が適しているかもしれません。

以上が、スクラッチから開発する方法とSaaSを利用する方法についての説明です。システム開発の要件や予算、納期などに合わせて、どちらの方法を選択するか検討してみましょう。

要件定義と画面設計

要件定義の概要と方法

要件定義とは、開発するシステムに必要な機能や性能、品質、制約条件などを明確にするための作業です。

要件定義には、クライアントからの要望をヒアリングすることが大切です。クライアントからの要望を正確にヒアリングすることで、システムの仕様を明確にすることができます。効果的な実装方法や具体的な実現可否についてクライアントにアドバイスする必要も出てきますので、打ち合わせや折衝においては、バックエンドエンジニアや開発ディレクターも同席してもらえると良いでしょう。

社内にバックエンドエンジニアや開発ディレクターが不在の場合は、後述する外部開発会社に相談するといいでしょう。

画面設計の概要と重要性

画面設計は、Webシステム開発において非常に重要な作業です。画面設計では、ユーザーがシステムを利用する上で必要な情報を適切な形で提示することが求められます。画面設計には、いわゆるUIデザインの領域として、レイアウトやカラーリング、フォントなどが含まれます。適切な画面設計を行うことで、ユーザーがシステムをより使いやすく感じることができます。

システム設計とユーザーエクスペリエンスの考慮

システム設計の概要と方法

システム設計とは、要件定義を基に、システム全体の構成や仕様、データベース設計などを行う作業です。システム設計では、開発するシステムの全体像を捉えることが重要です。適切なシステム設計を行うことで、開発期間や開発コストの削減、システム品質の向上などが実現することができます。

ユーザーエクスペリエンスの考慮

ユーザーエクスペリエンスを考慮するためには、ユーザーの視点を意識し、システムを使いやすくすることが必要です。具体的には、操作性の改善、情報の整理、視覚効果の設定などが挙げられます。機能や画面遷移なども考慮しながら高いユーザーエクスペリエンスを実現できる方法を検討しましょう。

ユーザーエクスペリエンスの評価と解析

ユーザーエクスペリエンスを評価するためには、ユーザーに対してアンケート調査を実施する方法が一般的です。また、Google Analyticsなどのツールを利用して、Webサイトの利用状況を分析することもできます。

システム開発におけるプログラミングの基礎

プログラミングの基本的な考え方

プログラミングとは、コンピュータに命令を与えることで、特定の目的を達成するためのプログラムを作成することです。プログラミングに必要な基本的な考え方には、アルゴリズムやデータ構造などがあります。

プログラミング言語の種類と特徴

通常のWebサイト制作 (フロントエンドの実装) では、HTML、CSS、Javascriptなどのプログラミング言語がありますが、システム開発のプログラミング言語には、JavaやRuby、Pythonなど様々な種類があります。それぞれのプログラミング言語には、特徴や得意分野があります。Javaは大規模なWebシステム開発に適しており、RubyはWebアプリケーションの開発に向いています。また、Pythonはデータ解析や人工知能分野での利用が多いです。

プログラミングの基本的な文法と制御構造

プログラミングの基本的な文法には、変数やデータ型、演算子などがあります。また、プログラムの流れを制御するために、if文やfor文などの制御構造を利用することができます。

Webサーバー設置の検討

Webシステム開発において、Webサーバーの構築が必要です。最近では、AWSやAzureなどのクラウドサービスを利用して、Webサーバーの構築を行うことが一般的になってきました。ここでは、クラウドサービスを利用したWebサーバーの構築について説明します。Webサーバーは一般的にはインフラエンジニアが担当することが多い領域です。
自社にいなければ外部開発会社に相談するといいでしょう。

クラウドサービスの種類

クラウドサービスには、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などがあります。これらのクラウドサービスは、多くのWebサービスを提供しており、Webサーバーの構築にも利用されます。

クラウドサーバーの構築方法

クラウドサーバーの構築方法には、Webベースの管理画面を利用する方法と、APIを利用する方法があります。Webベースの管理画面を利用する方法は、簡単な設定を行う場合に利用されます。APIを利用する方法は、より高度な設定を行う場合に利用されます。

クラウドサーバーの監視と保守

クラウドサービスを利用してWebサーバーを構築する場合でも、常に適切な監視と保守が必要です。監視には、CPU使用率やメモリ使用量、ディスク使用量などを監視することが必要です。保守には、OSやWebサーバーのアップデート、定期的なバックアップなどが必要です。

クラウドサーバーのセキュリティ対策

クラウドサービスを利用してWebサーバーを構築する場合、Webサーバーのセキュリティ対策が必要です。クラウドサービスを利用する場合、サーバーのセキュリティ対策は、クラウドサービスプロバイダによって提供される機能に依存することが多いです。SSL証明書の利用やファイアウォールの設定などの対策が必要です。

データベース設計の基礎

データベース設計について

データベース設計とは、データベースを構成するテーブルやフィールドの設計を行う作業です。データベース設計には、正確なデータの定義、データの整合性の保持、パフォーマンスの向上などが含まれます。データベースのイメージとしてはエクセルの表を想像すると良いでしょう。必要に応じて、データベースから該当するデータを呼び出します。

システム開発を伴うプロジェクトによっては、成果物/納品物として、データベース設計書が含まれることもあります。該当プロジェクトがどちらに該当するかは事前に確認しておきましょう。データベース設計書は、作成とクライアントレビューを繰り返して確定していきます。

データベース設計における正規化の重要性

データベース設計においては、正規化を行うことが重要です。正規化とは、重複したデータを排除することで、データの整合性を保持するための作業です。正規化を行うことで、データの整合性やパフォーマンスの向上などを実現することができます。

SQLとは何か

SQLとは、データベース上で情報を検索・更新するための言語です。SQLを利用することで、データベース上の情報を取得・更新することができます。

Webアプリケーションフレームワークの利用

Webアプリケーションフレームワークとは何か

Webアプリケーションフレームワークとは、Webアプリケーションの開発において、汎用的な機能を提供するフレームワークのことです。フレームワークを利用することで、開発期間の短縮や品質の向上が期待できます。

Webアプリケーションフレームワークの代表的な種類と特徴

Webアプリケーションフレームワークには、Ruby on Railsや、Pythonで実装されたDjango、phpで実装されたLaravelなどがあります。それぞれのフレームワークには、独自の特徴や得意分野があります。Ruby on Railsは、シンプルで高速な開発が可能であることが特徴です。Djangoは、高速な開発が可能であり、大規模なWebシステムにも対応しています。Laravelは、親しみやすくわかりやすい文法が特徴であり、初心者でも扱いやすいフレームワークです。

保守・運用とDevOps

保守・運用の概要

Webシステムの運用には、サーバーの管理やセキュリティ対策などが必要です。また、バグの修正や機能追加などの保守作業も必要です。保守・運用には、定期的なバックアップや監視などが必要です。

DevOpsの概要

DevOpsとは、「Development(開発)」と「Operations(運用)」を組み合わせた言葉で、ソフトウェア開発と運用のプロセスを統合的に管理するための文化や手法、ツールなどを指します。DevOpsの目的は、開発と運用の壁を取り払い、迅速かつ高品質なソフトウェアの提供を可能にすることです。

具体的には、コードの自動ビルド、自動テスト、自動デプロイ、監視、問題解決などを行い、ビジネスのニーズに合わせた迅速な開発と安定的な運用を両立させることを目指します。DevOpsは、開発と運用の壁を取り払うことで、アジャイル開発やDevOpsのような迅速かつ柔軟な開発手法を実現することができます。また、DevOpsの導入により、エンジニアの生産性や作業効率を向上させることができます。

DevOpsを導入することで、開発チームと運用チームが協力して問題解決に取り組むことができます。DevOpsの導入により、サービス品質の向上や開発期間の短縮、コスト削減などが期待できます。また、自動化によるプロセス改善や定期的なミーティングの実施により、開発チームと運用チームのコミュニケーションをスムーズに行うことができます。

DevOpsの導入方法

DevOpsを導入するためには、開発チームと運用チームが同じ場所で働くことが重要です。また、開発チームと運用チームが共通のツールを利用することで、情報共有がスムーズになります。さらに、自動化によるプロセス改善や定期的なミーティングの実施なども重要なポイントです。

自社開発が難しい場合は、外部のシステム開発会社と連携しよう

Webシステム開発において、自社での開発が難しい場合には、外部の開発会社と連携してプロジェクトを進めることが一般的です。ここでは、外部開発会社に依頼することのメリットや気をつける点について説明します。

外部開発会社のメリット

外部開発会社に依頼することにより、以下のようなメリットがあります。

  • ✅専門性の高い技術を持った開発者が開発に携わることができる。
  • ✅開発コストを抑えることができる。
  • ✅納期を短縮することができる。
  • ✅プロジェクトの管理や品質管理を外部に任せることができる。
  • ✅要件定義などの専門スキルが要求されるコミュニケーションも任せることができる。

外部開発会社に依頼する際の気をつける点

外部開発会社に依頼する際には、以下のような点に注意する必要があります。

  • ✅システム開発はある程度の追加要件が発生したり修正が発生することもあるため、柔軟な対応が可能かをあらかじめ相談しておきましょう。
  • ✅開発会社の実績やサービス詳細、評判を調べることが重要です。
  • ✅依頼する開発内容に応じた開発会社を選定する必要があります。
  • ✅契約書や仕様書などの文書に細心の注意を払い、明確な内容を確認する必要があります。
  • ✅開発進捗の管理やコミュニケーションをしっかりと行い、納期や品質についての確認を行う必要があります。

以上が、外部開発会社に依頼することのメリットや気をつける点です。外部開発会社に依頼することにより、専門性の高い技術を持った開発者が開発に携わることができ、開発コストを抑えたり、納期を短縮することができます。しかし、外部開発会社に依頼する際には、慎重に選定し、適切なコミュニケーションを行うことが必要です。

まとめ

Webシステム開発のまとめ

Webシステム開発には、要件定義、画面設計、システム設計、プログラミング、データベース設計、Webアプリケーションフレームワークの利用などが必要です。適切な設計を行い、ユーザーエクスペリエンスに配慮し、保守・運用にも注意を払うことが重要です。

Webシステム開発の今後の展望

世の中に便利なWebサービスがますます普及していく中で、Webシステム開発の需要も高まっています。今後は、ReactやVue.jsなどといったモダンフレームワークの活用や、セキュリティ対策の強化などが求められると考えられています。開発者は常に新しい技術や手法に目を向け、アップデートを続けることが重要です。

現在必要とされる技術をまとめたエンジニアロードマップ

Webディレクターが知っておくべきシステム開発の基本知識について、要件定義、画面設計、システム設計、プログラミング、データベース設計、Webアプリケーションフレームワークの利用、保守・運用、DevOps、そして今後の展望について解説しました。Webシステム開発においては、各工程において適切な設計を行うことが重要であり、ユーザーエクスペリエンスにも配慮する必要があります。また、DevOpsを導入することで、開発チームと運用チームの協力により、高品質なサービスを提供することができます。