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Web制作にかかわる職種はさまざまありますが、いずれもフリーランスとして独立する方が多くなってきています。Webプロデューサーも、例外ではありません。しかし、「フリーランスになっても、生活できるほどの年収を得られるのか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はWebプロデューサーの仕事内容を踏まえ、平均年収や年収アップに向けた案件の獲得方法を紹介します。
フリーランスのWebプロデューサーの仕事内容
Webプロデューサーの仕事内容は勤務形態のいかんにかかわらず、主に次の3つが挙げられます。
フロントでの顧客折衝
Webプロデューサーは、Web制作の計画を立案する仕事です。仕事をはじめるときには、クライアントから要望や問題点などをヒアリングします。すべてにおいて最初から双方の同意が得られるわけではないため、契約前から契約後までさまざまな場面で交渉が必要になってきます。
Webプロデューサーは時に、プロジェクトを成功させるために嫌われ役を買うときも少なくありません。クライアントの満足度を満たしつつ、チームメンバーも気持ちよく働けるように交渉する折衝能力が求められるのです。
プロジェクトの予算管理
Webプロデューサーはクライアントとの予算交渉や収支管理、コスト分配なども担います。どれだけ良い成果物を仕上げても、予算を大幅にオーバーしてしまってはクライアントとトラブルになりかねません。Webプロデューサーが予算管理をする上では、「予算内で最大限の収益を生み出す」という経営者的思考が大切になってきます。
プロジェクト自体の進行管理
WebプロデューサーはWeb制作における最高責任者であり、プロジェクト全体のかじ取り役です。チームメンバーのスケジュール管理はもちろん、進捗状況によっては外注スタッフの確保や調整も行います。プロジェクトがスムーズに進むよう、時にはリスクに先回りして対処する力も必要です。全体の進捗を確認し、納期内に成果物を仕上げるために、人や物、お金の動きを調整するのもWebプロデューサーの大切な仕事の1つといえるでしょう。
フリーランスのWebプロデューサーの需要は?
Webプロデューサーは、Web制作においてなくてはならない存在です。しかし、実際のところ、需要としてはどのくらいあるのでしょうか。
ここでは、Webプロデューサーの案件数や求人数と合わせて、フリーランスWebプロデューサーの平均年収を紹介します。
Webプロデューサーの案件数や求人数
フリーランススタートによると、Webプロデューサーの案件数・求人数は2022年3月時点で「64件」です。Webディレクターの案件数・求人数が「3,564件」であることを踏まえると、Webプロデューサーの案件数がどれだけ少ないかがわかります。先程紹介したように、Webプロデューサーはプロジェクトの進行やチームメンバーを取りまとめるマネジメント力が必要です。そのため、他のWeb制作系の職種よりも経験重視の傾向にあり、案件数の少なさに影響しているでしょう。
逆に、「広告代理店などでディレクション業務をしていた」などの経験をアピールできれば、フリーランスでも採用される可能性が高まります。
フリーランスのWebプロデューサーの平均年収
WebプロデューサーはWeb制作における上流工程を担う職種であるため、全体的に年収は高めです。
2016年10月に行われたマイナビクリエーターの調査によると、年齢別にみると30~40歳代の平均年収は「400~500万円」であり、50歳以上では「800万円以上」という方もいます。また、大手のWeb制作会社であれば、「平均年収1,000万円」も夢ではありません。
特にフリーランスであれば、企業のように受注案件数に限りがないため、働けば働くほど報酬を得られます。自分で積極的に案件を獲得する必要があるものの、年収アップを目指すWebプロデューサーにとっては理想的な働き方といえるでしょう。
フリーランスのWebプロデューサーの案件獲得方法
Webプロデューサーはある程度の経験があれば、フリーランスとしても十分な年収を得られるとわかりました。では、どのように案件を獲得していけばよいのでしょうか。フリーランスWebプロデューサーの案件獲得方法を2つご紹介します。
代理店や制作会社からの紹介
1つ目は、広告代理店やWeb制作会社へ直接営業をかける方法です。自分の希望にマッチする会社に対し、電話やメールなどで自分の実績などを送付・交渉します。特に、フリーランスになる前に広告代理店などで働いていた経験があれば、案件を獲得しやすいでしょう。いざ契約が終了しても収入を維持できるよう、2~3社を掛け持ちすると安心です。
フリーランスエージェントを活用する
2つ目は、フリーランスエージェントを活用して案件を獲得する方法です。エージェントでは、希望する労働条件やスキルにマッチした案件を紹介してくれます。クライアントとの交渉や契約時の書類作成なども支援してくれるため、煩わしい手続きを極力減らして仕事に集中したい方におすすめな方法でもあります。福利厚生面もサポートしてくれるところもあり、フリーランスになりたてで不安という方もぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
Webプロデューサーとして年収を上げる方法
案件を獲得し、安定的な収入を得られるようになったら、年収アップの段階です。次の3つを意識して、Webプロデューサーの年収をさらに上げていきましょう。
複数スキルや経験値を蓄える
Webプロデューサーの年収を上げたいなら、Web制作だけでなく、アプリ開発など他分野の経験も積むことをおすすめします。アプリ開発ではWeb制作とはまた違ったトレンドや技術に触れることができ、Webプロデューサーとして対応できる仕事の幅が広がるからです。
また、小規模案件だけでなく、大規模案件にも挑戦するようにしてみてください。案件の規模が違えば、必要とされるスキルや労力も異なり良い経験になります。大規模案件ほど1回に入る報酬額も大きくなり、年収アップへの近道となります。さらに、豊富な実績は役員として採用されるチャンスが生まれる可能性が出てきます。役員となれば、さらなる年収アップが期待できるでしょう。
企業戦略レイヤーや事業戦略レイヤーまで知る
Webサイトを通してビジネスを成功させるためには、Webプロデューサーにもマーケティング思考が必要です。マーケティングの理解はクライアントの満足度を高めることに繋がり、その先にWebプロデューサーとしての年収アップがあります。マーケティングスキルを高めるためには、企業戦略や事業戦略などの経営戦略レイヤーを知ることも大切です。
企業戦略とは「誰に、何を、どのように提供するのか」という事業領域を定めること、そして人や物、お金などの資源をどのように分配するかを考える戦略です。そして、事業戦略とはオンリーワンの付加価値を提供し、企業が生き残れるようにするための戦略を指します。
経営戦略レイヤーはクライアント側で定める内容ではあるものの、Webプロデューサーが理解しておくことで、より要望に沿った対応が可能となるでしょう。
直請けの案件を増やす
Web制作会社などからの下請けは案件を獲得しやすいメリットがある反面、仲介手数料が差し引かれるため、手元に入る報酬額が少なくなるデメリットがあります。そのため、Webプロデューサーの年収を上げたいなら、直請け案件を増やすようにしましょう。直請け案件であれば、下請けでは想像できないような高額報酬を得られるケースも珍しくありません。誠心誠意取り組み、満足のいく成果物を仕上げられれば、追加発注や他のクライアントへの紹介に繋がります。求められるスキルは下請けよりも多くなり、ハードルが高めではありますが、年収アップのために挑戦する価値は十分あるでしょう。
Webプロデューサーとして活躍できるならフリーランスもおすすめ
Webプロデューサーは案件の獲得数や獲得先によっては、フリーランスでも十分高収入を狙えます。Webプロデューサーとしての仕事を続けつつ、ワークライフバランスも大切にしたいという方は、フリーランスという働き方を検討してみてはいかがでしょうか。