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Webプロデューサーとは、Web制作における最高責任者です。プロジェクトの企画はもちろん、制作にあたる予算やメンバーの管理、プロモーションなどを担います。実は、Webプロデューサーは慢性的な人材不足が続き、ニーズが高い職種です。そのため、「未経験でも、独学でWebプロデューサーになれるのか」と気になる方もいるでしょう。
そこで今回は、Webプロデューサーに必要なスキルを踏まえ、独学でWebプロデューサーになる上でおすすめな勉強本などを紹介します。
独学でもWebプロデューサーになれるの?
結論から言うと、Webプロデューサーは特別な資格を必要としないため、独学でもなれます。ただし、少々険しい道となるといえるでしょう。なぜなら、Webプロデューサーはプロジェクトをスムーズに進行させるために、Web制作全般に関する知識が必要だからです。そのため、Webディレクターが仕事を続けながら、Webプロデューサーを目指すために勉強を行うことが現実的であります。
また、クライアントだけでなく、エンジニアやWebデザイナーなどの実働メンバーの意見にも耳を傾けながら、ベストな成果物に仕上げるスキルも必要になってきます。具体的なスキルについては、次項を参考にしてみてください。
Webプロデューサーに求められるスキル
Webプロデューサーに似た職種に「Webディレクター」がありますが、こちらはいわゆる「実務遂行者」です。Webプロデューサーは、Webディレクターよりもさらに前段階の業務、つまり「計画立案者」として動きます。
Webプロデューサーの業務内容は会社によってさまざまであり、計画立案の一部のみ任されることもあれば、デザインなど実動部分まで担う場合も少なくありません。いずれにしても、基本的には次に挙げる5つのスキルが必要になってきます。
予算や利益などPL責任を持つ責任力
Webプロデューサーは、予算内で人や物をやりくりしつつ、クライアントが満足するクオリティに成果物を仕上げる力が必要です。
しかし、計画は必ずしも思い通りにいくとは限りません。クライアントからの要望によって途中で変更が生じたり、トラブルが発生したりする場合もあるでしょう。その際は、予算や収支に大幅なズレが生じないよう、Webプロデューサーが責任を持って適切に対処する必要があります。
専門領域以外のプロジェクトマネジメント力
Webプロデューサーは「Web制作全体の責任者」であるため、自分の得意とする領域だけに通じていれば良いというものではありません。
エンジニアやWebデザイナーなど実働メンバーの領域に関しても最低限の知識を持ち、必要な制作工程や時間、ツールなどを把握する必要があります。それらを踏まえて現実的なスケジュールを組み立てるプロジェクトマネジメント力も、Webプロデューサーに大切なスキルといえます。
長期的な視点でプロジェクトを進めるプランニング力
Web制作では、案件が大きくなればなるほど、費やす時間が長くなるでしょう。Webプロデューサーは各メンバーの進捗状況を確認・予測し、必要に応じて計画を修正しながらプロジェクトを進めていきます。「納期まで時間があるから」と余裕を見すぎると、いざトラブルが発生したときに自分たちの首を締めかねません。短期目標を1つずつクリアしながら、納期内に最終目標をクリアする…Webプロデューサーにはこのような長期的な視点でのプランニング力が必要です。
ユーザ分析や市場調査などのマーケティング力
Webプロデューサーは計画を立案する前に、「Webサイトを通じてビジネスを成功させるためには、どのような課題があり、どう解決していけばよいか」を考える必要があります。Webサイトを訪れるユーザの満足度を高めるためには、世のトレンドにも敏感にキャッチし、企画に反映することも大切です。Webプロデューサーが仕事を始める上で、ユーザ分析や市場調査などのマーケティング力は最初に身に着けておきたいスキルといえるでしょう。
クライアントのニーズを捉えるヒアリング力
Web制作を新たに請け負うか、あるいは既存のWebサイトを作り変えるか…いずれにおいても、Webプロデューサーはクライアントからの要望を聞き出すヒアリング力が必要になってきます。ヒアリングする内容の主な例は、次のとおりです。
・Webサイトの目的や盛り込みたい内容
・集客層や促したい行動(購買、登録など)
・既存Webサイトで修正したい内容
・予算や納期 など
ただし、クライアントによっては要望が抽象的であったり、あまりに現実的でない内容を伝えてきたりするケースも少なくありません。その際は、実現可能な具体性のある内容を聞き出せるよう、Webプロデューサーのヒアリング力がより重要になってきます。
Webプロデューサーを目指すためのおすすめ勉強本
Webプロデューサーには、さまざまなスキルが必要であるとわかりました。では独学でWebプロデューサーになるためには、どのような勉強をすればよいのでしょうか。ここでは、Webプロデューサーを目指す方におすすめな勉強本を3冊紹介します。
Webプロデュース
こちらは後述する「Web検定Webプロデューサー」に完全対応した書籍であり、Webプロデューサーに必要な戦略・戦術について、専門コンサルタントが解説しています。成功事例についても詳しく述べられているため、Web検定を受ける人だけでなく、Webプロデューサーの実践的なノウハウを知りたい方におすすめな1冊です。
プロダクトマネジメントのすべて
こちらは、GoogleやMicrosoftなど国際的な組織で活躍してきた著者陣による、プロダクトマネジメントの決定版です。
事業戦略やマーケティング、組織運営など、Webプロデューサーに必要な知識やスキルを網羅しています。Webプロデューサーのバイブルとして、1冊は手元に置いておきたい勉強本といえるでしょう。
リーンスタートアップ
「リーンスタートアップ」とは、徹底的にムダを省き、効率的に成果を出すサービス開発の手法です。こちらの書籍は3部構成となっており、リーンスタートアップを提唱したエリック・リースがじきじきに解説しています。Webプロデューサーにも通じる内容となっているため、マネジメント手法を学びたい方はぜひ手に取ってみてください。
デザインギャラリーサイトをくまなく見る
スキルを向上させるためには、良いWebサイトをたくさん見ることが不可欠です。BRIKが提供している、BRIK GALLERYでは日々様々な良質のWebサイトを紹介しています。業種やデザイン手法、カラーリング、Webサイトの種類など様々な検索方法が充実しており、掲載数はトップレベルを誇ります。
またその他のギャラリーサイトについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
Webプロデューサーを目指すためのおすすめ勉強資格
Webプロデューサーになるためには、特別資格は必要ありません。しかし、さまざまな知識を学ぶ過程で取得できる資格はあります。
最後に、Webプロデューサーを目指す方が取得しておきたい資格を2つ見ていきましょう。
Web検定 Webプロデューサー
「Web検定Webプロデューサー」はWebサイト設計やプロデュース方法など、Webプロデューサーに必要な幅広い専門知識を問う資格です。
試験時間は90分であり、出題数は65問となっています。なお、2021年3月時点での累計合格率は「30.6%」です。WebデザインやWebディレクションよりも合格率が低めなため、ある程度勉強してから挑戦することをおすすめします。
Webクリエイター能力認定試験
「Webクリエイター能力認定試験」は、Webプロデューサーに必要なマーケティング思考から企画、集客などの幅広い知識とスキルを学べる資格です。合わせて、Webに関するプログラミング言語(HTML、やCSS、javascriptなど)やWebデザイン技術など、他のメンバーとのコミュニケーションをスムーズに行う上で必要な知識も勉強できます。コースは基本的な知識とスキルを問う「スタンダード」と、応用力を見る「エキスパート」の2種類です。試験時間はスタンダードが実技問題のみ130分、エキスパートが知識と実技問題で220分となっています。
なお、2018年時点での合格率(エキスパート)は「89.9%」であり、Web検定Webプロデューサーよりは比較的合格しやすい資格です。
Webプロデューサーは独学でも経験を積めば目指せる
WebプロデューサーはWeb制作全体の責任者であるため、カバーする必要がある知識やスキルは多岐にわたります。しかし、独学でも経験を積めば目指せる職種です。
独学でWebプロデューサーを目指したい方は、今回紹介した本をぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。