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Webディレクターは人材不足が目立ち、いわゆる売り手市場が続いています。だからといって、採用面接の対策をおろそかにすると、なかなか就職や転職は成功しないでしょう。
そこで本記事では、Webディレクターの採用面接に対する対策方法を紹介します。よく聞かれる質問と、どの様に回答すべきかを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
面接前に知りたいWebディレクターの人材ニーズ
Webディレクターの就職・転職先としては、主に事業会社と制作会社の2つです。実は、それぞれが求めるWebディレクター像には異なる点があります。
面接を成功させるためにも、まずは求められるWebディレクター像を把握していきましょう。
事業会社に求められるWebディレクター像
事業会社の主な業務内容は、自社コンテンツの企画や制作、運用です。制作会社よりも事業規模が大きく分業が進んでいるため、他メンバーとの協働が大切になってきます。
また、事業会社は制作よりも運用を重視する傾向にあり、WEBサイトへのアクセス数やコンバージョン率などの成果を優先した采配が求められるでしょう。
制作会社に求められるWebディレクター像
制作会社の主な業務内容は、事業会社などのクライアントから依頼されて、コンテンツの企画や制作、運用を進めることです。事業会社のWebディレクターよりも担当領域が広く、Webプロデューサーなど他職種の業務を担当するケースも少なくありません。
そのため、制作会社のWebディレクターには、WEB制作に関する幅広い知識と経験が求められます。
Webディレクターの採用面接でよく聞かれる質問
求められるWebディレクター像の違いを知ったところで、早速、採用面接でよく聞かれる質問を見ていきましょう。
Webディレクターとしての経験やスキルについての質問例
Webディレクターの経験やスキルについての質問例としては、主に次の5つが挙げられます。
見積作成や工数計算、予算の交渉などクライアント折衝経験の内容
WEB制作を進める中では、クライアントの希望を聞いて、自社メンバーや外部メンバーの稼働を計算し (工数計算)、そのうえで見積書を作成します。この経験の有無や計算方法などについて質問をされることがあるでしょう。
また予算や納期などについて交渉する必要が出てくるケースも多々あります。
クライアントとの交渉経験があるか、どのような点に留意しながら交渉したかなどを答えられるとよいでしょう。
後輩や外部パートナーへのマネジメント経験はあるか
WebディレクターはWebデザイナーなどに業務を分配するほか、時には外注スタッフへの指示も担います。
後輩や外部パートナーの人員配置やスケジュール管理など、マネジメント経験がある場合は具体的な数値とともに積極的にアピールしていきましょう。また新しく入ったメンバーに対しての教育やOJTなどの経験があればそれもアピールしていきましょう。多くの会社ではプレイヤーとしてだけでなく、後輩を指導して成長させることができる人を求めています。
提案書作成・プレゼンテーションの経験
会社によっては、クライアントからの要望について、具体的な戦略や施策について提案をすることがあります。そういった提案書の資料作成の経験や、資料についてクライアントにプレゼンテーションしたことがあるかを質問されることがあります。提案書作成やプレゼンテーションについては、会社によってはディレクターでなく、プロデューサーや営業、コンサルタントが行うこともあるため、ここの経験がないからといって必ずしもマイナス評価になることはありません。とはいえ、クライアントへ提案をするスキルや姿勢は重宝されますので、在職中に近い経験が積めるか考えてみると良いでしょう。
使用したことがあるツールについて
XMindやCanva、Google Workspace、BackLog、Slack、Chatworkなど、Webディレクターがよく使用するツールに関する理解度や熟練度について質問されることも多々あります。
活用したことのあるツールについてはどのような場面・目的で使ったか、今一度振り返っておきましょう。
Webディレクション以外のデザインやコーディングといった専門スキル・知識
Webディレクション以外の、Webデザイン、UIデザイン、HTML / CSSコーディング、javascriptオーサリング、コンテンツライティング、撮影ディレクションといった、デザイナーやエンジニアの専門スキルや知識について面接で質問があることもあります。プロジェクトによっては、デザインやエンジニアをアサインするほどない作業について、Webディレクターが代わりに行うことで、効率や生産性が向上しますので、企業としては専門スキル・知識を持ったWebディレクターは重宝されることでしょう。在職中に可能な範囲で身につけておくことで、自身の市場価値を高めることができます。
Webディレクターとしての成功体験
Webディレクターの成功体験を聞く意図としては、成功に向けて当人がどのように努力したかを見るためです。また、成功の要因を分析し、次に活かせているかも確認します。
面接では採用担当者が納得できるよう、具体的なエピソードとともに答えられるようにしておくことをおすすめします。
Webディレクターとしての失敗体験
失敗体験の話で伝えるべき内容は、失敗を認識し素直に受け入れたこと、そしてリカバリーに向けて原因の分析や対処を行ったことです。
失敗体験も成功体験と同様に、これまでの経験を振り返って説得力のある話を伝えられるように準備しておきましょう。
自社へのカルチャーマッチやミスマッチ防止の質問例
自社へのカルチャーマッチやミスマッチ防止の質問例としては、主に次の3つです。
Webディレクターとして最も重要視していること
こちらは、Webディレクターとしての仕事の向き合い方を問う質問です。先ほど紹介したように、就職先によって求められるWebディレクター像は異なります。
事業会社なら自社サービスでの成果、制作会社ならクライアントファースト・ユーザーファーストなど、それぞれが求めるWebディレクター像を踏まえた答えを準備しておきましょう。
モチベーションが下がるときやストレスを感じること
モチベーションの低下やストレスは、業務の遂行度合いに大きく影響します。就職後の早期退職を防ぐために、どのような場面でそれらを感じるかを採用担当者は事前に把握したいのです。
この質問に答えるときには、単にストレスを感じる場面を答えるだけでなく、セルフコントロールで対処できることも話せるとよいでしょう。
やりがいを感じるのはどんなタイミングか
やりがいに関して聞かれるのは、仕事に対する価値観を見るためです。
自分が達成感を感じられるタイミングについて、具体的なエピソードとともに答えていきましょう。
人柄やメンバーシップに関する質問例
人柄やメンバーシップに関する質問例は、主に次の3つです。
日常的な学習や情報収集はどうしているのか
日々情報がアップデートされていくWEB制作では、最新の技術やトレンドに敏感な人材が必要とされます。
特に、幅広い知識を必要とする制作会社の採用面接では、日常的な学習についてアピールできると採用確率が高まります。
これから将来どのようなキャリアを考えているのか
Webディレクターの業務はWebプロデューサー寄りのものから、Webデザイナーなどの実務寄りのものまでさまざまです。その中でも、自分が将来的にどの道を極めていきたいのか答えることで、Webディレクターへの真剣度や継続の意志を伝えられます。
そのため、最低でも5年ほど先までのキャリアプランについて答えられるようにしておきましょう。
仕事上のコミュニケーションで注意していること
Webディレクターはマネジメント業務も多く、他メンバーとのコミュニケーションが必要不可欠です。これまでのプロジェクトで関わったチームメンバーの数や、その時に任せられた役割やタスクなどもWebディレクターの経験値として重要視されます。
他メンバーの意見にも耳を傾ける、こまめに声をかけてメンバーのケアを怠らないなど、仕事上のコミュニケーションで注意していることを伝えましょう。
Webディレクターが採用面接でしたい逆質問
ほとんどの会社では、採用面接の最後に逆質問を受け付ける時間を設けています。実は、逆質問には当人の意欲やコミュニケーション能力を図る意図があります。
採用確率を上げるためにも、Webディレクターの採用面接ですべき逆質問をチェックしていきましょう。
案件の商流はどうなっているのか
「商的流通」の略称である商流は、コストや流通経路など取引の流れを指します。
商流について逆質問することで、Webディレクターの役割をしっかりと認識していること、事前に把握して成果を上げたい熱意などをアピールできます。
一年間の中で繁忙期はいつ頃になるのか
採用面接を受ける際、残業の有無や時間が気になる方が多いのではないでしょうか。しかし、ストレートに聞いてしまっては、仕事に対するやる気に疑問を持たれてしまいます。
そのため、「繁忙期はいつ頃になるのか」という言葉に変えて逆質問してみてください。あわせて、繁忙期以外にできるだけスキルアップしたいことを伝えると、Webディレクターへの意欲がより伝わります。
どのようなポジション/職種の人がどのぐらいいるのか
配属先の職種や人数からは、自分が担当する領域や業務量を推測できます。
就職・転職後の業務に早く慣れたい、仕事のサポート体制を把握しておきたい方は、Webディレクターとして連携を取るべき相手を事前に知っておくとよいでしょう。
Webディレクターの採用面接前には準備が重要
Webディレクターは売り手市場が続いていますが、採用確率を上げるためには相応の準備が必要です。採用担当者の質問意図を理解し、説得力のある答えを準備しておきましょう。
ポートフォリオをしっかり作って事前準備を
Webディレクターの面接対策のひとつとして、ポートフォリオ制作も有効です。ポートフォリオを制作することで、クライアントや採用担当に自分の実績を正しく伝えることができます。
多くのポートフォリオサービスは有料のものも多いですが、BRIK PORTFOLIOでは、クリエイティブなポートフォリオを無料で作成できます。BRIK JOBという求人サービスも運営しているため、クライアントや担当者からの案件オファーも届く可能性があります。
これから採用面接に向けて効果的なポートフォリオを制作したい方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
転職したいと思ったらキャリアカウンセラーに相談してみよう
転職先に求める期待は人それぞれでしょう。やりたい仕事を見つけたい、給与をアップさせたい、役職をアップさせたい、ワークライフバランスを整えたいなどが一般的な目的を言われています。
経験者のディレクターは様々な選択肢が考えられるでしょう。特に希少価値の高い、UX/UIのスキル、DXの知見、サービスサイトの実績などがあるディレクターでは転職する企業によっては、年収を100万円以上アップすることもできるでしょう。特に近年では事業会社のインハウスディレクターなどの職種の待遇が向上しています。
または、ディレクターとしての経験を活かして、マネージャー、PdM (プロダクトマネージャー)、Webマスター、プロデューサー、事業部長などの職種にキャリアアップする選択肢もあるでしょう。現役の第一線で活躍するディレクターから、より広い視野を持ってクオリティやプロジェクトを監督するポジションの需要も高まっています。
経験者ディレクターの場合、自身で仕事を探すより、専門転職エージェントに依頼することで様々なメリットを享受できることがあります。より良い条件の会社やポジションを紹介してもらえる、採用確度を高めるためのアドバイスや添削サービスを受けられる、最新の転職市場の動向を教えてもらえる、などがあるため、まずは気軽に相談をしてみると良いでしょう。クリエイター支援メディアのBRIK JOBではカウンセリングサービスを行っています。