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Web3.0とは?注目される理由やポイントを解説

「Web3.0」はWebにおける新たな時代の到来として、2021年後半から注目を集め始めています。しかし、「Web3.0とは何なのか、いまいちよく分からない」「Web2.0やWeb1.0との違いはどこにあるのか」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はWeb3.0について、その概要やWeb2.0・Web1.0との違い、そしてWeb3.0を活用した具体的な事例を紹介します。

Web3.0とは

Web3.0は「分散型」と称され、今後到来するであろう「次世代インターネット」の総称です。
Web2.0で行われているインターネット上のやり取りは、常にサービス提供元である企業が間に入っています。例えば、GoogleのG-Mailを利用する際には、送信元や送信先、送信内容などの情報はすべてGoogleが管理しています。

しかし、Web3.0では、個人情報をはじめとしたさまざまなデータの管理者は「ユーザ個人」です。必要なときに必要なデータを、ユーザ自身が引き出せるようになります。

このように、データの分散管理や情報主権の民主化が可能となるのが「Web3.0」です。
なお、Web3.0に関連したトレンドは、2022年時点で次の4つが生まれています。

・DeFi(分散型金融)
・NFT(非代替性トークン)
・ソーシャルトークン
・メタバース

このうち、DeFiやNFTは後述でも触れるため、ぜひ参考にしてみてください。

Web2.0との違い

2005年から続くWeb2.0では、ユーザ自身が発信者となったり、インターネット上でサービスを利用したりできるようになっています。具体的には次に挙げるような、双方向性のコミュニケーションやユーザ参加型のサービスが増えました。

・TwitterやInstagramなどのSNS
・Amazonなどのネットショップ
・Googleなどの検索連動型広告 など

ただし、情報がサービス提供者に集中し、セキュリティやプライバシー面の課題が残っているのも事実です。この点は、情報を分散して管理するWeb3.0にて解決できるであろうといわれています。

Web1.0との違い

Web2.0よりもさらに前、1990年から2004年まで続いたインターネット最初期が「Web1.0」です。Web1.0は新聞や雑誌のように、Webサイトに表示されたページを「読む」だけの時代でした。

HTMLによるテキストサイトが多く、双方向性のコミュニケーションは電子メールに限定されていました。Web2.0の到来まで、ユーザは単なる「閲覧者」でしかなかったのです。

Web3.0はなぜ注目されるのか

Web3.0が「Web2.0の進化版」として注目されるのには、理由があります。Web2.0で浮き彫りになった課題を解決しながら、より快適にインターネットを利用できるからです。

Web3.0によって解決する点は、主に次の5つがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

Web3.0ではプライバシーが守られる

Web2.0で利用されているGoogleの検索連動型広告は、検索・行動履歴という個人情報に基づいて表示されます。別ページに飛んでも同じような広告が表示されると、「監視されている感覚」に陥り、一種のプライバシー侵害として不快に思う方も多いでしょう。

しかし、Web3.0では自分のデータを自分で管理できるようになります。煩わしい広告を見ずに済む、あるいは見るかわりに報酬を受け取ることが可能になるのです。

また、Web3.0では、IDやパスワードの入力が不要です。常に匿名性が保たれ、プライバシー保護のもと、安心してWebサイトの閲覧やインターネットサービスの利用が可能となります。

Web3.0では国や企業による規制がなくなる

Web3.0により、分散型アプリケーションである「DApps」が誕生しました。DAppsを活用すれば、誰でも、どこからでもサービスへのアクセスが可能になります。

例えば、中国では金盾(グレート・ファイアウォール)という検閲システムにより、TwitterやYouTubeなどの利用ができません。また、iOSやAndroidの違いによって使用の可否が分かれるアプリケーションもあります。

しかし、Web3.0のDAppsであれば国や企業の規制がなくなり、誰でも快適にWebを利用できるようになるのです。

Web3.0では創作物がユーザに帰属する

Web2.0で活躍するクリエイターの中には、SNSやブログ、ネット販売アプリなどを通して収入を得ている方も少なくありません。

しかし、企業がサービス提供を止めれば、収入を得られなくなります。つまり、Web2.0では、創作物も収入も、サービス提供者に管理されているといえるでしょう。

一方、Web3.0では個人間や個人と企業の直接的なやり取りが可能となり、サービス提供者を挟む必要がなくなります。創作物がユーザに帰属し、自由で主体的な活動が可能となる点もWeb3.0の大きな特徴の1つです。

Web3.0では仲介組織が激減する

Web2.0におけるインターネット上のやり取りは、必ず何らかの企業が仲介し、データを管理していました。しかし、先程も紹介したように、Web3.0では個人間あるいは企業と個人の直接的なやり取りができるようになります。

例えば、仮想通貨などは個人間で自由な取引が可能です。また、DeFiという金融仲介アプリケーションにより、銀行は不要となるでしょう。

このように、Web3.0では仲介組織が激減し、よりスムーズな取引の実現が期待されています。

Web3.0ではセキュリティリスクが低下する

Web2.0のハッキングは、データを管理する1か所を攻撃するだけで十分でした。Facebookのハッキングであれば、Facebook社のサーバーを攻撃するだけで効果があったのです。

しかし、Web3.0では新たに、「ブロックチェーン技術」が用いられるようになります。ブロックチェーンとは、暗号技術によって正確な取引履歴が維持できる技術です。

1本の鎖のようにデータが繋がっており、かつ複数人が同じデータを持っているため、改ざんや破壊が非常に難しくなります。また、たとえ1か所攻撃されたとしても、他の場所でも同じ情報を保管しているため、システムダウンの恐れがありません。

Web3.0を活用した事例

最後に、Web3.0を活用した事例を2つ見ていきましょう。

ビットコインなどの仮想通貨

仮想通貨とは、前述のブロックチェーン技術を利用した電子通貨です。2020年6月から、法的な名称は「暗号資産」へと変更されました。

仮想通貨の取引は、すべて個人間(P2P)で行われます。投資や送金だけでなく、金(ゴールド)のように価値の保管にも適しているため、利用者が年々増加している分野です。

NFT

NFTは、画像や音楽、動画などにおける「唯一無二の正当な所有権」を証明するものです。仮想通貨と同様にブロックチェーン技術を用いているため、所有権の改ざんはできません。

ただし、仮想通貨と異なり、他の暗号資産や通貨への交換は不可です。それゆえ、NFTは「非代替性トークン」と呼ばれています。2022年では、デジタルアートやゲームアイテムなどをはじめ、あらゆるものがNFT化して売買されています。今後、さらなる市場拡大が期待できるでしょう。

Web3.0にはビジネスチャンスが埋まっている

Web3.0では、Web2.0と異なり、ユーザ個人がデータの管理・コントロールが可能となります。個人間や個人と企業のやり取りも自由にできるため、これまでになかったビジネスチャンスにも巡り合う可能性が高まるでしょう。
今のうちにWeb3.0の情報を集め、新たな時代の到来に備えましょう。